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http://www.ciaj.or.jp/ciaj/
通信機械工業会(CIAJ)は、月額3,500円程度の定額料金でインターネットへの常時接続を可能にするISDN通信技術「IP over ISDN」を発表した。IP over ISDNは、CIAJの所属委員会「国際競争力調査研究委員会」が郵政省による「次世代ネットワーク構想に関する懇談会」の中で「緊急提言」として提案したもの。
これは、電話とFAXを同時に通信しながらインターネットに常時接続することが可能な技術で、既存のISDN網とユーザー側との接続を、NTT側に設置されている交換機を経由させずに行なうというもの。電話局内のアダプターとユーザーのTA間にISDNの「Bチャネル」2本を敷設し、128kbpsの常時接続を確保する。そして電話使用分8kbps、FAX使用分14.4kbpsを抜いた約100kbps分をインターネット接続用に利用するというしくみだ。また、実現には、電話音声データとIPデータを区別するためにアダプターを加入者交換機のユーザー側に設置する必要があるなど、キャリア側の対応が必須になっている。
CIAJでは、既設のISDN設備をそのまま利用できることによるコスト減などを理由に、ユーザーの利用料金は合計3,500円で済むと試算している。既存のISDN用TAにDSP(Digital Signal Processor)と特定用途向けのIC「ASIC」を加える必要があるが、費用的には、既存のTAとほとんど変わらないとのこと。
CIAJによると、「IP over ISDN」は技術的にはすぐにでも実現可能で、実現するかどうかは「全てキャリアしだい」としている。
('99/3/12)
[Reported by okiyama@impress.co.jp / ymasa@wizvax.net]