デジタルメディアでの著作権を考えるアーティスト自身による団体「メディア・アーティスト協会(MAA)」は、第3回目の例会を開催し、パネルディスカッションを行なった。
MAAは、インターネットなどデジタルメディアでの著作権のあり方について、アーティスト自身が議論し、意見を発表することを目的に2月1日に設立された団体(本誌2月2日号参照)。発起人として、坂本龍一氏、佐野元春氏などのアーティストが名を連ねている。
今回開催されたパネルディスカッションは、坂本氏、ゲーム作家の飯野賢治氏、CGアーティストの河口洋一郎氏らMAA会員の他、マイクロソフト株式会社会長古川享氏、マクロメディア株式会社社長手嶋雅夫氏の5名により「どこへ行く?メディアアート ~次世代への論点整理~」をテーマに進められた。
ディスカッションでは、デジタル時代の著作権の捉え方、管理方法などについて、音楽家、ゲーム作家、CGアーティストそれぞれの立場から発言がなされた。また、技術を提供する側として、そして、プログラムの著作者としての側面を持つソフトウェア企業が参加したことで議論の幅は広がった。全体としては、ディスカッションが進むなかで、参加者が声を荒らげる場面も見られるなど白熱した議論となった。最後に坂本氏は、「(ネット上の配信は)音楽では先行している部分があるので話し合いが進んでいるが、それぞれの分野の人で自分と引っかかってくる部分があると思う。それらを(MAAの会合から)持ち帰ってほしい」とまとめた。
パネルディスカッションの他には、MAAの今後の活動予定が発表された。次回例会より、毎回30分程度、「著作権講座」が開催されるほか、3月下旬か4月上旬には、MAAの専用サイトも開設する。また、海外からの反応も多く、今後海外ブランチの創設も構想しているとのことだ。
('99/3/16)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]