■URL
http://www.x-zone.canon.co.jp/WebView/
http://www.wildfire.com/ (Wildfire Communications)
インターネット映像配信の利用方法についての情報交換・研究を行なう「第4回サイバーメディア・フォーラム」(事務局・キヤノン株式会社)が24日、都内で開催された。
ジャーナリストであり、同フォーラム代表幹事の木村太郎氏は「ネットワーク時代のスマートインターフェイス」と題し、インターネットショッピングとそのユーザーインターフェイスについて語った。
同氏はAmazon.comのヘビーユーザーで、「プロ野球ニュースの放送中はAmazon.comを眺めたり、最新ニュースをチェックしたりしている」という。「サイトにアクセスして『Welcome back, Taro Kimura』と表示され、本やビデオを薦められると、ついつい買ってしまう」とパーソナライズの有効性について語った。
また、同氏によると「今後はコンピュータであることを意識させないことも重要」だという。この点について同氏は、音声認識技術の活用によりコンピュータを意識させないインターフェイスを実現した例として、米国のWildfire Communications社のサービスを紹介。同社では、電話、FAX、電子メールを統合管理し、電話から音声でコントロールできるサービスを提供している。
続いて、ヤフー株式会社の井上雅博社長が、インターネット利用者の動向と広告ビジネスについて講演。
同氏は「メディアは、文字・写真(新聞・雑誌)から音声(ラジオ)、動画(テレビ)へと進化してきた。インターネットも同じように進化していくだろう。しかも、それら全部を足したぐらいのメディアになってもおかしくない」とした上で、「その影響力からすると、'98年の100億円というインターネット広告費もまだ小さいくらい。今後のユーザー数増加を考えると、まだまだ発展の余地がある」と広告ビジネスの見通しについて語った。
最後に、多摩美術大学教授で、同フォーラム代表幹事の石田晴久氏が講演。最新の技術動向について説明した。
同氏はNTTドコモのiモードについて、「1パケット0.3円という料金はまだまだ高いとは思うが、課金が時間単位ではないところは興味深い。今は表示できる文字数の制限などがあるが、非パソコンの端末としては将来期待できるかもしれない」と語った。
また、同氏はインターネットが今後拡大していく上での課題として、超高速バックボーンや安価なローカルアクセス環境の整備や、使いやすい端末の開発などを挙げた。中でもローカルアクセスについての課題が多く、NTT回線を使用しないワイヤレス通信技術の開発の重要性を訴えた。
同フォーラムでは、キヤノンが開発・販売しているライブ映像配信システム「WebView/Livescope」関連の開発中の製品の参考展示も行なわれた。
今月17日に発表された「3D-WebView」(本誌3月18日号参照)のほか、新たに公開されたのは、PHSを使った「ワイヤレス・カメラサーバ」と、PDAで動作する「Mobile用ビューワ」。
ワイヤレス・カメラサーバは、PIAFS対応のISDNルータを用い、クライアントソフトからアクセス要求があった時だけPHSでサーバーを呼び出すシステム。回線工事が不要で、移設も簡単だ。
Mobile用ビューワは、Windows CE上で動作する。同社ではJava版のビューワも公開しており、将来的には携帯電話を含め、様々なPDA上でライブ画像の受信やカメラの遠隔操作が可能になる見通しだという。
なお、サイバーメディア・フォーラム自体は今回が最後になる。キヤノンでは同日、WebView関連のホームページを「WebView World」として整理・統合しており、今後はこのページ上で同フォーラムの活動を継続していく。
('99/3/24)
[Reported by yuno@impress.co.jp]