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【レポート】

IBM「alphaWorks」とXMLへの取り組みを紹介

XMLは、e-businessのために必要な“最後のピース”

■URL
http://www.alphaWorks.ibm.com/ (alphaWorks)

John Wolpert
alphaWorksのEmerging Technology
Strategist、John Wolpert氏
 日本アイ・ビー・エムは25日、IBMの推進するデベロッパー向けWebサイト「alphaWorks」に関するセミナーを開催し、同サイトの目的やXMLに対する取り組みについて紹介した。

 alphaWorksでは、IBMの各研究所で開発中の技術を初期段階から公開し、世界中の企業やデベロッパーからのフィードバックを得ながら、新技術の製品化を促している。'96年8月にalphaWorksチームが発足してから現在まで、「XML Parser for Java」をはじめとする70以上の技術が公開され、WebSphere Application ServerやVisualAge for Javaなどで製品化に至っている。

 alphaWorksの第一の目標について、同チームの一人であるJohn Wolpert氏は、「2000年までに、alphaWorksによる20の新技術をIBM製品に統合すること」を掲げ、「現在、業界のキーとなっているXMLに次ぐ技術を見つけていきたい」としている。'99年度は、世界にある8つの研究所から150件の技術提案を引き出し、100件をalphaWorksで公開する予定だという。また、「情報や技術の開示が、さらなるテクノロジーの進化を促す」とし、ソースコードを公開しない場合もあるとしながらも、なるべく「オープンソースのスピリット」でやっていく方向だとしている。さらに、商用無償ライセンスついても、「市場の要望」しだいで提供可能になると強調した。当初90日間のトライアル版として公開されたXML Parser for Javaでは、公開とともに、製品に組み込みたいという要望が殺到。3カ月後には商用ライセンスの提供に踏み切られたという経緯があるという。

 続いて、XML Parser for Javaの開発に携わった日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所の丸山宏氏が、IBMのXML技術に対する取り組みについて紹介した。丸山氏は「TCP/IPによってユニバーサルなコネクティビティが、httpとWebブラウザーによってユニバーサルなプレゼンテーションが、さらにJavaによってユニバーサルなプログラミングがもたらされた」とした上で、「最後に残されたデータのユニバーサル化を満たすものがXMLである」と説明。IBMにとってXMLは「e-businessを行なうために必要な“最後のピース”」であり、「TCP/IPやJavaと同等に必要不可欠なテクノロジーとして位置づけられる」としている。XMLへの戦略としてIBMでは、XMLオープンスタンダードのサポート、製品におけるXMLのサポート、ソリューションサービスでのXMLサポートの3点を掲げている。

('99/3/25)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp