■URL
http://www.headspace.com/ (Headspace社)
http://www.headspace.com/beatnik/index.html
(Beatnik)
http://www.davidbowie.com/fame/index.html
(Fame)
米Headspace社は、音声ファイル再生プレーヤー「Beatnik」の新バージョン「Beatnik Player 2.0」を発表した。Windows版、Macintosh版とも、同社のサイトから無償でダウンロード可能。
「Beatnik Converter」
WAV→RMF変換操作画面。著作権情報の埋め込みが可能 |
Beatnikは、「Netscape Communicator 4.5」に音楽データ再生用プラグインとして標準添付されているソフトで、MIDIやWAVのほか独自音楽フォーマット「RMF(Rich Music Format)」に対応している。RMF形式は、音質を損なわずにファイルサイズを小さくできる点や、「電子透かし」により著作権情報を埋め込める点などを特徴とする独自の音楽ファイルフォーマット。新バージョンは、RMF形式のファイルについて、音楽を鳴らしながらテンポやピッチを変化させていくなど、Web上で音楽をインタラクティブに再生できるのが特徴だ。同社では、「Beatnik/RMFの登場は、インターネットユーザーのほか、レコード業界や著作権管理団体にとっても喜ばしいことになる」としている。
また、Headspace社では、ユーザーの持つ音楽ファイルをRMF形式に変換するソフト「Beatnik Converter(Windows用)」のデモバージョン(21日間の期間限定)を無償で公開している。Beatnik Converterでは、WAV、AIFF、SDII、MIDIの各ファイルをRMF形式に変換できる。操作は、変換したいファイルを指定して、保存ボタンを押すだけだ。ほかに、リバーブ機能などの強化やテクニカルサポートを提供するフルバージョンを34.95ドルでオンライン販売している。また、Macintosh用のRMF変換ソフト「Beatnik Editor」も同サイトで公開されている。なお、Beatnik Converter/Editorの次期バージョンでは、MP3からRMFへの変換機能も搭載される予定だ。
同社のサイトでは、RMF形式のフリーサンプルデータや、作成したRMFデータをHTMLファイルに埋め込むためのチュートリアルなども提供している。インタラクティブ性によるお楽しみ度、Webページへの埋め込みも含めた作成の容易さ、また、著作権保護の観点からも「Beatnik」には今後要注目だ。
なお、Beatnik Player 2.0に対応したコンテンツについては数点がHeadspace社のサイトで紹介されているが、その魅力を最も活かしているのが、David Bowieのサイト「BowieNet」で公開されている「Fame」だ。Fameは、David Bowieが'75年に発表した曲でJohn Lennonがコーラスで参加したことでも知られている。今回、公開されたFameの“Beatnikバージョン”では、ドラム、ベース、リズムギター、コーラスなど7トラックが独立して存在している。それぞれに1~4種類のパターン/フレーズが用意されており、各トラックのON/OFFと組み合わせて自由にミックスすることが可能だ。さらに、その上にDavid Bowie本人によるボーカルトラック(9種類)を被せることもできる。自分だけのオリジナルミックスが作れるという、ファンにはたまらないコンテンツだ。音質もクリアーで、同ページでは「Web上で初のインタラクティブMP3」と紹介している。
ちなみに、Headspace社を設立し、Beatnikを開発したのは、'80年代のヒット曲「彼女はサイエンス:She Blinded Me With Science」で知られるThomas Dolby氏。David Bowieとは、'85年の「Live Aid」で共演している。
('99/4/7)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]