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http://www1.ido.co.jp/new/news/990413.html
DDIセルラーグループと日本移動通信株式会社(IDO)が共同で導入を進めている、新しい携帯電話サービス「cdmaOne」の全国ネットワークが4月14日午前0時に完成する。DDIセルラーグループとIDOは、首都圏・中部圏、東北、北海道でのサービス開始に伴なって都内で合同記者会見を開き、今後の展開について語った。
「cdmaOne」は、米国のクアルコム社によって開発された方式で、音質がよく、高速なデータ通信が可能。当初は14.4kbpsだが、年内には64kbpsパケット通信にも対応。すでに、米国やカナダなど36カ国で採用されており、世界各国の加入台数累計は、2,300万台に達するという。1台の携帯電話で海外でも利用できる国際ローミングも特徴のひとつ。まずは12月をめどに韓国・香港との間で利用できるようにし、さらに米国・カナダなどへも順次拡大していく方針だ。
また、セルラー/IDOでは、携帯電話単体でインターネット接続する「EZweb/Ezaccess」サービスも提供していく「WAP」方式によるサービスで、キャリアの用意したコンテンツやインターネット上のコンテンツにアクセスできる。
cdmaOne対応端末は、全部で6種類。そのうち、「WAP」対応のインターネットサービス「EZweb/Ezaccess」に対応した端末は、「C201H」の1種類のみだ。気になる価格だが、「PDC方式では、ある系列が無料で配り始めて手痛い目にあった。cdmaOneでは2万円を切るようなことは絶対にしない(IDO、塚田社長)」としており、現在のPDC方式のような端末の値段は期待できそうにない。さらに、「秋口までは、エリアの広がりと高速転送など完成度は十分でないため、量は追いかけない。思うようにいかなくても、完成度が上がった秋口でさばけばよい」と強気だ。
14日に開始予定のコンテンツは、タウン情報や雑学などの生活情報が中心。ほかにニュース、コミュニケーション、飛行機などのチケット予約など計85の情報サイトが用意されている。「WAPサービスは今後標準搭載していく。バンキングや予約サービスを毎日利用する人はいない。メインで使うのは、トランザクションではなく、新聞やニュースなどの情報系だ」としている。
現在の携帯電話で主流になっている「PDC方式」は、NTTドコモだけが全国ネットワークを持っており、他社はローミングを利用しなければならない。DDIとIDOは「cdmaOne」によって、一人勝ちしているドコモに依存した状態から脱却したい考えだ。IDOの塚田社長は「10年越しの悲願の達成。高速データ通信機能の加わる年末には、NTTグループの通信網を凌駕する」と語った。
一方で、携帯電話とPHS事業の両方を手がけるDDIは、PHS事業とcdmaOneを平行してサービスを続けていくことを考えており、「PHSもNTT網を通さずにやっていくことを考えたい(DDI、日沖社長)」としている。なお、PHSとcdmaOneのデュアル端末は考えていないとのこと。
IDOによれば、すでに1万台(WAP対応端末は3,500台)の予約が入っており、来年3月末までに100万台、2,000年内にはさらに150万台増を目指す。
なお、会見の中でIDOの塚田社長は、IDOとDDIの経営統合についてまだ具体的な交渉は始まっていないとしながらも、「せまい日本でエリアを分けるのはナンセンス。早急に平行して、マネージメントのボーダーレスを実現しなくてはならない。DDI側も同じで基本コンセンサスはできており、両陣営ともそれに向けて内部調整をしている」と語り、DDIとの経営統合が必要であることを明らかにした。これが実現すれば、NTTドコモグループに次ぐ、第2位の携帯電話グループが誕生する。
('99/4/13)
[Reported by junko@impress.co.jp]