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【仕様】

身障者がアクセスしやすいWebコンテンツを
W3Cがガイドライン

■URL
http://www.w3.org/TR/1999/WAI-WEBCONTENT-19990505/

 World Wide Web Consortium(W3C)は5日、ユーザーがアクセスしやすいWebコンテンツを提供するための仕様をまとめたガイドライン「Web Content Accessibility Guidelines 1.0」をW3C勧告として公開した。一つの情報に対して視覚的な表現と音声による表現の2通りを用意するなど、障害を持つ人々にも情報にアクセスできる表現方法を用いるようWeb制作者などへ奨励している。

 ガイドラインは優先度別に、1)Priority 1:満たさなければならない項目、2)Priority 2:満たすべき項目、3)Priority 3:満たすことが望ましい項目--の3段階に分けられている。Priority 1では画像や音声などによる情報についてテキストによる説明も用意することなど16項目を、Priority 2では色覚障害者やモノクロ表示環境でも認識できる色づかいを用いることなど30項目を、Priority 3では略語の扱いなどについて19項目を提示。各項目が満たされているかどうか確認できるチェックリストも用意しており、各段階で提示された項目を満たしているサイトにはそれぞれA、AA、AAAの格付けが与えられる。

 なお、ガイドラインは身障者だけでなく、その他のユーザーにとっても有益なものだ。例えば、音声情報に字幕を付けるという聴覚障害者を支援するために用意された仕様は、騒音の大きい場所や逆に音を出せない場所でWebを閲覧する場合に有効になる。また、映像情報にテキストによる説明を用意するという項目は、回線速度が遅い環境や携帯端末などからの利用にも有効になる。

 W3CのディレクターであるTim Berners-Lee氏は、ガイドラインにより、アクセスしやすいWebサイトに求められる目標値が明確に提示されたとしており、「これからは、どのWebサイトがこのガイドラインを実践しているかを見ていく必要がある」と述べている。

('99/5/6)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp