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【イベントレポート】

プロ向けやユニークな製品などが並んだ展示会

■URL
http://www.real.com/conference/

 RealNetworks Conference & Exhibitionの名の通り、コンファレンスのほか、関連製品の展示会が開催され、60社以上が出展した。コンピュータ業界や放送業界、社内システム担当などさまざまな客層が集まり、展示でも、放送用を含めてさまざまな製品が展示されていた。なお、会場の壁際の何箇所かでは、RealNetworksにより広帯域ストリームのデモが上映されていた。


IntelはRealText 3Dをデモ

Intelブース Intel社のブースでは、発表したばかりの「RealText 3D」をデモしていた。RealText 3DはXMLベースの規格で、RealPlayer上でテキストを3D表示したり、それをアニメーションしたりできる。デモでは、まず、回転やねじれ、文字ごとに転がったりといった各種効果を見せた。

 その後で、実際のコードを表示した。コード中ではテキストはそのまま文字列で指定し、それに効果などのパラメーターを与えるだけのシンプルなもの。レンダリング等はクライアント側で行なう。それにより、回線に優しく、オーサリングも簡単、仕様もフリーであるのが特徴だという。デモではWebページ中でロゴを回転表示させる例を、ムービー、アニメーションGIF、RealText 3Dの3種類で表示してみせたほか、バナー広告やPowerPoint風プレゼンテーションで使った場合の例を見せた。

 なお、RealNetworksの「Content Developers Kit for RealText 3D」には、RealText 3Dでコンテンツを開発するためのガイドとサンプル、エディターが含まれる。エディターはWYSIWIGでこそないが、ウィザード形式でパラメーターを指定でき、比較的容易に各種効果を設定できる。 Content Developers KitはRealNetworksのサイトからダウンロード可能。


「3D」ストリーミングはほかにも

 ほかにも、「3D」と名のついたストリーミングシステムがいくつか出展されていた。

 OZ社は3Dアニメーションをストリーミング再生する「Fluid3D for RealSystem G2」を出展。サーバーとプレイヤーの両方にプラグインを入れて、ポリゴンによる3Dアニメーション(特に人物に強いという)をRealSystem G2上でストリーム再生できる。しかも、送られるデータはムービーと比べると非常に少なく、狭い帯域でやりとりできると謳っている。デモでは、日本のポリゴンゲームにあるような3Dアニメーションを狭い回線で再生してみせていた。なお、公開β版が近日公開予定という。

 Isee3D社は、ビデオカメラ1つでステレオ画像の動画をライブ中継するシステムを展示。レンズとカメラの間に専用のアダプターをつけ、サーバーでエンコードし、クライアント側ではステレオメガネを付けることでステレオ視することができる。

 ちょっとユニークなのが、QSound Labs社の「IQfx」。RealPlayer G2にプラグインを入れるだけで、通常のステレオやモノラルの音声をスピーカー2つでサラウンド再生する。RealJukeboxなどで実演していたが、確かに音が広がって聞こえた。$15。ほか、Windowsに常駐してRealPlayer以外でもサラウンド効果を出す「IQ」や、音声データ(WAV/AIFF)にサランド効果をかける「QCreater」もあった。

OZ社ブース
Isee3D社ブース
QSound Labs社ブース
OZ社ブース
Isee3D社ブース
QSound Labs社ブース


編集ツールはやはり多数出展

Avid Technology社
Avid Technology社ブース

 会場で目立ったのは、ビデオ編集ツールやSMILオーサリングツールなどだった。プロ向けのシステムを開発しているAvid Technology社は、RealSystem G2やASFなどのファイルも出力できるコンシューマー向けのビデオ編集ツール「Avid Cinema」を展示した。WindowsとMacintoshに対応しており、会場ではWindows機とiMacの両方でデモしていた。

 Play社は、一連のプロフェッショナル向けビデオ編集/放送システム「GlobeCaster」を展示していた。TV局と同様の機能を謳っており、RealSystemやNetShowによるリアルタイム中継が可能。会場でも実際にインターネットにライブ中継していた。

 Veon社は「V-Active 2.0」を展示。SMILを使ったインタラクティブムービーをオーサリングできるツールだ。

 ループ音楽編集ツール「ACID」シリーズを出しているSonic Foundry社は、ビデオ編集ツール「Stream Anywhere」を展示。ACIDシリーズで培った編集インターフェイスにより、映像やサウンドトラックを編集したり効果をかけたりでき、RealVido形式も出力できる。現在βテスト中。

 編集ツールではないが、encoding.com社は、さまざまな媒体からさまざまなフォーマットのデジタルデータにエンコードするという会社だ。フィルムやビデオ、デジタルデータなどを送ると、CDやストリーミング用などのさまざまなフォーマットに変換してくれる。映画会社や大メーカーのプロモーションなどで利用されているとのことで、15分の映画予告編フィルム1,600本をそれぞれ2つの帯域用にエンコードした例では、総料金は$48,000だったという。

Play社ブース Veon社 Sonic Foundry社ブース encoding.com社ブース
Play社ブース
Veon社ブース
Sonic Foundry社ブース
encoding.com社ブース

 


その他

 Praja社は、複数のビデオやコンテンツ、データなどをカスタム表示するシステム「Praja Actionsnaps!」を展示。ビデオや試合結果データなどをパーソナライズして表示できるスポーツ情報サイトをサンプルとして見せていた。

 Dazzle Multimedia社は、縦置きのTAに似た外見の外付けビデオキャプチャー機器を展示していた。MPEG形式にキャプチャーし、付属の編集ツールでRealVideoなどに変換できる。USB接続とシリアル接続のモデルがあり、$228。

Praja社ブース
Dazzle Multimedia社ブース

('99/5/8)

[Reported by masaka@impress.co.jp]


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