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【調査結果】

電子メール、大企業では8割以上が利用――JEMA調査
中小企業では2割強、家庭では4割

 電子メッセージング協議会(JEMA)は、'98年9月から'99年3月にかけて実施した、平成10年度の電子メールの利用動向調査の結果をまとめた。大企業では8割以上の企業が電子メールを利用している一方、中小企業では2割強に止まっていることがわかった。個人での利用は、パソコン所有家庭のうち4割を超えた。

 従業員500人以上の企業、官公庁、自治体を対象とした「企業における電子メールの動向調査」では、2,424社/団体から回答を得た。
 電子メールを「利用中」とした企業は83.4%で、第1回調査(平成6年度)は30.9%に過ぎなかったのが、以後、43.5%(平成7年度)、58.2%(平成8年度)、74.3%(平成9年度)と順調に増加してきた。しかし、課題となっているセキュリティ面を見ると、セキュリティメールを「導入している」のはわずか8.3%。45.8%が「必要を感じている」としているものの、6.9%が「導入計画なし」、39.0%が「未定・不明」と答えている。これに対し、モバイルシステムについては、「全社規模で導入」が3.1%、「一部で導入」が24.8%、「導入予定あり」が36.4%あり、順調な進展が期待できるとしている。
 電子メール導入の効果については、「紙の削減」などの経費節減面では期待したほどの効果は得られておらず、作業時間の短縮や情報共有、コミュニケーションの改善など、業務改善や情報活用の面での効果が多く挙げられるようになった。
 JEMAでは、課題はあるものの、すでに大企業において電子メールは定着し、連絡ツールやコスト削減の道具の枠を超えて、より高度に利用され始めてきたとしている。

 「中小企業における電子メール利用動向調査」では、中小企業グループ453団体、従業員500人未満の中堅・中小企業310社、従業員500人未満の店頭登録企業117社からの有効回答を得た。
 中小企業グループでは、電子メールを「利用中」としたのはわずか7.3%で、前回調査(平成9年度)とほぼ同様の低水準となっているが、会員数の多いグループでは急速な進展があったとしている。
 中堅・中小企業では、「殆どの社員が利用」と回答した企業は25.5%だった。ただし、経営者層の利用率が全社員の利用率よりも高水準にあり、今後、トップダウンで導入されていくのではないかとしている。前回調査に比べて、取締役以下の管理職で利用が着実に伸びているという。サーバー保有企業は50.0%、LAN/WAN構築企業は46.1%だった。
 店頭登録企業では、「殆どの社員が利用」と回答したのは25.7%で、店頭登録していない中堅・中小企業とそれほど差はなかったが、サーバー保有企業が90.6%、LAN/WAN構築企業が85.5%あり、情報化の水準に大きな差があるとしている。

 家庭内でパソコンを利用している個人を対象とした「家庭や個人における電子メールの利用実態調査」では、1,205人からの有効回答を得た。
 電子メール利用者は41.7%で、前回調査(平成9年度)の29.3%から増加した。利用の動機としては「インターネットやパソコン通信を始めたため」(男性73.3%、女性63.0%)、「友人・知人と連絡を取るため」(男性53.1%、女性70.1%)などが多く挙げられた。
 一方、電子メールを利用しない理由としては、「電子メールをやり取りする必要を感じないから」(男性56.3%、女性43.9%)がもっとも多かったほか、通信コストがかかることや環境整備・操作方法がわからないことも挙げられた。

('99/5/25)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp / ymasa@wizvax.net]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp