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【インタビュー】

日本でナンバーワンになる

Lycos社CEO Robert J.Davis氏に戦略を聞く

■URL
http://www.lycos.co.jp/ (ライコスジャパン)
http://www.lycos.com/

 5月に大幅にリニューアルした検索サイト「ライコスジャパン」。リニューアルでは、検索機能を強化したほか、フリーメールサービスの提供を開始した。今後は、パーソナライズサービス「My Lycos」やコミュニティサービスの開始も予定しているとのこと。 しかし、サービスは拡張しているが、「Yahoo!JAPAN」や「goo」など同様のサービスをすでに提供している他のポータルサイトに対し今後どう戦っていくのか。来日中の米Lycos社 CEO Robert J.Davis氏に、今後のライコスジャパンの戦略、また、米Lycosの現状について聞いた。


 

Robert J.Davis氏編集部(以下編)まず、ライコスジャパンはLycos社にとってどういう位置づけにあるのでしょうか?

Robert J.Davis氏(以下R 写真右): ライコスジャパンは非常に大切だと考えている。アジア市場でのコーナーストーン(礎石)と言える。ライコスジャパンの成功というのはLycosにとっての成功でもある。

:ライコスジャパンは日本国内ですでにサービスを開始している訳ですが、現状で他の競合サイトに比べ競争力が弱いように思えますが。

R:いままでそうだった、そして現在そうかもしれない。しかし、今後数ヶ月の成長を見て欲しい。たくさん提供できるサービスがあるので。

:日本市場で勝つための武器はなんですか?また、今後どうやってライコスジャパンをアピールしていくのでしょう?

R:すばらしい商品、すばらしい社員、すばらしいマーケティングが武器だ。ユーザーはライコスに来て、非常に広いレンジのサービスを使うことができる。具体的なサービスの内容は、検索、フリーメール、コミュニティで、その中には「Tripod」も含まれている。(米国ですでに提供しているサービスを)単純に翻訳するだけではなく、日本の市場にあったものを提供する。

 我々にとって大切なことは、誰か1回でもいいからライコスジャパンをトライしてもらうこと。もしトライしたら、必ずその人はライコスを好きになる。そして、その繰り返し繰り返し…。それ(好きになってもらうこと)については非常に自信がある。

:日本で最大のライバルはどこになりますか?

R:Yahoo!(JAPAN)だ。Yahoo!は米国でも我々の最大の競争相手だ。2年前に、Yahoo!はLycosの3倍以上大きかった。しかし、毎月毎月我々は成長していったが、Yahoo!は成長しなかった。そして、現在Lycosは米国でナンバーワンになった。私は日本でも同じことを繰り返していきたいと思っている。

:日本でもナンバーワンになると。

R:そう。

:ところで、米Lycosのサービスについてお聞きします。米Lycosでは、「MP3 Serch」を提供していますが、RIAA(米レコード協会)からクレームを付けられるなど(違法ファイルも検索できることで)、問題視されることについてどうお考えですか?

R:MP3は、非常にすばらしいパブリッシング効果を持っている。別に私は、MP3 Serchで誰かの音楽を許可なしで盗ってこられるというようには考えていない。MP3で何百万の音楽がタダで供給されている。それを我々はサポートしていきたいと思っている。

:ただ、結果的に違法コピーのファイルも検索されてしまいますね?

Robert J.Davis氏R:我々はインターネット上の警察ではない。我々の目標はユーザーが探しているものを供給するということだ。我々は大きな図書館の職員と同じような仕事をしているが、本棚にある本全部の本のタイトルを憶えるようなすばらしい図書館員にはなれないので。今後も(MP3 Serch)は続けていく。

:先日、合併の話が撤回されましたが(USAi傘下TMCS社との合併話撤回:本誌5月14日号参照)、それはLycosにとってラッキーなことだったのでしょうか?

R:(苦笑)。Lycosのビジネスは非常に堅い。Lycosにとってよいことが起こればよいと信じている。

 まあ、合併話自身には非常に意味があったと思う。いろいろ事情はあったんだけれども。Lycos自身の力が非常に強かったので、それでは、このまま先に進んでいこうじゃないか、ということで今に至っている。

:本誌の読者はインターネット上のサービスについて非常に目が肥えています。そういったユーザーに対して一言お願いします。

R:まず、その読者のようなユーザーは我々の業界にとっては一番大切だと言える。ヘビーユーザーは周りの人達にも影響力がある。その基礎となるような人達を満足させるのが非常に大切だと考えている。我々はヘビーユーザーのためにサービスを充実させていきたいと思っている。

 ユーザーに強く呼びかけたいことは、我々に「何が気に入ったか」を教えて欲しいということ。ライコスに何が必要か、どんなサービスがあればいいかなどフィードバックしてほしいと思う。我々はユーザーからの声を集めるセクションを持っているので、どうぞメッセージを送ってほしい。よりよいサービスを提供するためにも我々は必ず返事を出す。そのユーザーからのフィードバックによって我々は今ここにある。

:ありがとうございました。


両社長 なお、5月26日には、Robert J.Davis氏と、4月にライコスジャパン株式会社代表取締役社長に就任した吉田和男氏(写真右側)出席による記者会見が都内ホテルにて開催された。

 ここでは、Robert J.Davis氏が米Lycosの概略を紹介したほか、吉田氏がライコスジャパンのリニューアル点などをアピールした。今後ライコスジャパンは、積極的にプロモーション活動を進め、年内に1日あたり300万ページビューを目標にするとのこと。

('99/5/26)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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