■URL
http://www.nmda.or.jp/enc/privacy/index.html
ニューメディア開発協会は、「プライバシー情報管理システムP3P」を開発し、16日に公開した。Webサイトがユーザーの個人情報を取得する際、それらの使用目的や開示範囲などを提示し、合意したユーザーからのみ情報を取得できるようにするもので、W3Cが開発中のプライバシー保護のための標準プラットフォーム「P3P(Platform for Privacy Preferences)」に基づく世界初の実証システムだという。
プライバシー情報管理システムP3Pは、ユーザー側のクライアントソフトとWebサーバーに組み込むCGIプログラムで構成される。クライアントソフトは、Windows 95/98/NT4.0に対応。CGIプログラムを生成するオーサリングツールとともに、それぞれ上記URLから無料ダウンロードできる。
ユーザーはクライアントソフトをインストールした後、ウイザードに沿って自分の個人情報を入力する。さらに、それらの情報をどんな条件のもとで、どの程度までWebサイトに提供するかを設定した「プリファレンス」を作成する。プリファレンスは「物理的なコンタクト情報」「オンラインのコンタクト情報」「金融ID情報」「嗜好データ」など10項目に分かれており、それぞれの項目について「個人情報の使用目的」「個人情報の開示範囲」「個人特定可能情報としての使用」を2~6段階で程度指定できる。ユーザー自身が個々に設定できるが、項目が多いため、標準的な4種類のプリファレンスセットも用意されている。クライアントソフトは、プロキシーサーバーにインストールして、企業や学校などで利用することも可能だ。
一方、Webサイト側は、個人情報の使用目的などを規定した「プロポーザル」を、配布されるオーサリングツールで作成し、CGIの中に組み込む。このシステムを利用したWebサイトでは、個人情報の扱いを明示することでユーザーに安心して利用してもらえるようになる。また、合意した範囲内で個人情報を有効に利用することが可能になり、例えば、ユーザーの属性に合わせてページをパーソナライズ表示するのにも役立つとしている。
ニューメディア開発協会では、プライバシー情報管理システムP3Pを公開することで、ユーザーからのフィードバックも受け付ける。また、同システムに対応したオンラインショッピングサイトを越後銘門酒会の協力により開設。デモンストレーションなどを実施しながら普及を図っていくとしている。
('99/6/18)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]