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【業界動向 / オープンソース】

オープンソース開発を保護する「Apache Software Foundation」設立

■URL
http://www.apache.org/foundation/press/pr_1999_06_30.html

 HTTPサーバーソフト「Apache」を作り続けてきたオープンソースプロジェクトのApache Groupは30日、より組織立った仕方で開発を続けていくための組織「Apache Software Foundation」(ASF)を設立したことを発表した。

 ASFは (1)Apacheソフトウェアを開発しているグループに対してハードウェア、通信、ビジネスなどのインフラを提供する (2)企業や個人がハードウェアや人材などを安心して寄付できるようにするための法的な基盤を整える (3)開発に携わるボランティアを法的な訴訟などから守ったり、「Apache」ブランドを守るなどの法的な側面を強化する、など主に3つの目的から設立された。

 これまでApacheは数多くのボランティアの協力、機材、通信手段の持ち出しによって支えられてきたが、寄付される機材がどこで、誰に、どのような仕方で役立っているのか把握することが難しく、寄付を受け付けにくい環境だった。またソフトウェアの不具合などの問題が生じた時に開発者が法的に訴えられる危険に絶えずさらされるなど、開発とは直接関係のないところで労力が浪費されていた。ASFが設立されたことで、こうした問題が減少することが期待されている。

 ASFは、ASF会員によって毎年選挙される役員会によって運営されるが、実際のプロジェクトの技術的な側面に口を挟むことはない。会員は現会員の推薦によって候補者としての資格を得、その後会員となれるかどうかをその人の能力、技術などによって検討する。会員は一つのプロジェクトに所属し、積極的に開発に携わらなくてはならない。会員となれるのは個人のみで、企業が会員となれるかどうかは現在検討されている。

 今年6月に公表された「1999 Netcraft Web Server Survey」によると、世界中のWebサーバーの内61%でApacheが使われており、高い評価を受けていることを示している。

 ASF代表のBrian Behlendorf氏は「Apacheの名前は信頼されており、私たちはそれを維持したいと思っている。オープンソース開発モデルが実際にうまくいくために出来ることをやっていきたい」と抱負を語った。

('99/7/1)

[Reported by taiga@scientist.com]


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