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【調査結果】

米国人のインターネット利用、所得や人種による格差が拡大

■URL
http://204.193.246.62/public.nsf/docs/070799-new-report-falling-through-the-net-digital-divide

 米商務省は8日、米国人のインターネット利用に関する統計調査をまとめた。同調査によると、電話に比べてコンピューターやインターネットが経済の発展に不可欠なツールとなる一方で、情報を持つ人と持たざる人との「デジタル格差」が広がっている。

 米国人のコンピューターやインターネットの利用は、1998年末時点で、政府の競争政策の成功により急増しており、米国世帯のうち、40%以上がコンピューターを所有、25%がインターネットに接続しているという結果が得られた。

 その一方で、特定の人口グループや地域等で大幅な格差が見られるという実態が明らかになった。1997年と1998年との間に、高学歴者と低学歴者の格差は25%拡大、高所得者と低所得者との格差は29%拡大した。年収7万5,000ドル以上の家庭では、それ以下の年収の家庭に比べ、インターネットの利用が20倍以上、コンピューターの所有が9倍以上との格差がついた。

 人種格差も存在し、家庭でインターネットを利用する白人は、場所によらずにインターネットを利用する黒人やスペイン人を上回った。家庭でインターネットを利用する黒人とスペイン人家庭は、アジア/太平洋系の家庭に比べ約1/3、白人家庭に比べ約2/5となった。

 地域格差では、田舎では都会に比べインターネットの利用が少なく、収入レベルに関係なく、コンピューターやインターネットの普及が遅れている。同じ収入レベルで比較すると、都会でインターネットを利用する家庭は田舎に比べ50%以上となった。

 このようなデジタル格差を縮小するため、同報告書では、引き続き政府の競争政策を強力に推進するよう勧告している。学校や図書館など、コミュニティのアクセスセンターが、すべての米国人の情報技術利用を短期間で増加させるための重要な役割を果たすだろうと述べている。実際、1998年のデータでは、コミュニティのアクセスセンターが家庭や職場での利用が乏しいグループに、特によく利用されたことを示している。

('99/7/9)

[Reported by Hiroyuki Et-OH]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp