■URL
http://www.undp.org/hdro/Chapter2.pdf
(PDF版)
http://www.undp.org/dpa/index.html
インターネットの普及によって、情報を持てる者と持たざる者との格差が一層広まっているとする報告書が発表された。国連開発計画(United Nations Development Programme:UNDP)が12日公表した1999年版「人間開発報告」(Human Development Report 1999)で明らかにした。
同報告書によると、世界人口に占める米国の人口は4.7%に過ぎないが、インターネット利用者は、国の人口の26.3%を占める。しかし一方で、南アジアでは、対世界人口比で23.5%もの人がいるにもかかわらず、その地域でインターネットを利用している人口は0.004%に過ぎない。全世界の人口比においては、わずか2.4%の人しかインターネットを利用していない。
さらにUNDPは、インターネットによる情報アクセスの不平等は、収入、教育、性別、年齢、人種、言語の違いによってさらに顕著に現れているとしている。例えば、南米のネットユーザーの9割は高所得者が占め、世界のインターネット利用者の3割は大学教育を受けている。また、米国の女性ネット利用者は38%に過ぎず、中近東諸国に至っては4%に満たない。ユーザーの平均年齢では、米国が36歳、中国や英国では30歳以下となっている。さらに、全世界で10人に1人しか英語を話さないにもかかわらず、世界のWebサイトの8割は英語で書かれている。UNDPでは、世界の典型的なインターネットユーザーを、「都会に住む大卒の男性で、英語を話し、年齢は35歳」と描いている。
こうしたインターネットによる情報格差を是正するために、UNDPでは、「bit tax」の導入を呼びかけている。これは一日100通の電子メール(1通当り10Kのデータ)を送るごとに、1セント課税するというもの。1996年のデータで換算すると、年間700億ドルの財源が確保できるという。
('99/7/13)
[Reported by kokubu@impress.co.jp / yuy@ibm.net]