INTERNET Watch Title Click

【業界動向 / プライバシー】

プライバシー保護に関する業界の自主規制が進行、法規制は見送り

■URL
http://www.ftc.gov/opa/1999/9907/report1999.htm

 米連邦取引委員会(FTC)は13日、オンライン上のプライバシー保護に関して業界の自主規制が進んでいるとする報告書を、米下院商務委員会に提出したことを発表した。同報告書は、FTCがこれまでの4年間に実施した消費者のオンライン・プライバシー保護に関する調査をまとめたもの。同報告では、電子商取引の拡大している現状、Webサイトが消費者の個人情報を収集している実態、プライバシー保護に関する消費者の懸念、業界の自主規制の現状などが述べられ、現時点では法規制は適切ではないと提言している。

 FTCのPitofsky委員長は「インターネットにおける消費者のプライバシーを保護する方法として、業界の自主規制が最適」としながら、「消費者のプライバシー保護を強化するために、Web上でプライバシー方針を簡単に通知できるようにするとともに、有効的に実施させる方法を考案していく」と述べた。

 同報告書で触れられている、ジョージタウン大学のMary Culnan教授が実施したプライバシー保護に関する調査では、「自主規制はプライバシー方針の通知を確実にする最も有効的な方法」であり、「頻繁にWebを訪れる利用者にとって、プライバシー方針の少なくとも1部を明らかにすることが最も基本的な事項」だと分析。しかし、現状ではプライバシー方針を掲載したりWebサイトは少数で、プライバシー保護の基準を満たしたサイトに配付されるプライバシー・シールを貼り付けたWebサイトもわずかであると述べている。

 FTCでは、業界の自主規制が履行されるかどうか、今後の進捗状況を続けて監視していくことが重要であると結論づけている。そして今後の方針として、プライバシー方針を掲載するWebサイトの増加状況について調査を実施する予定だと述べている。

('99/7/14)

[Reported by Hiroyuki Et-OH]


INTERNET Watchホームページ

ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp