INTERNET Watch Title Click

【レポート】

「AKIBAX'99」でMAAメンバーがパネルディスカッション

■URL
http://www.akihabara.or.jp/
http://www.maa.gr.jp/

AKIBAX会場 7月17日から、JR秋葉原駅前広場でイベント「AKIBAX'99 インターネットショーin秋葉原」が開催されている。イベントは、秋葉原電気街振興会らの主催によるもので、パソコン関連各社による展示のほか、著名人らによるトークショーなどが行なわれている。今回は、その中から、19日に開催されたパネルディスカッション「メディアアートの方向と著作権、MAAの今後」についてレポートしたい。

 パネルディスカッションは、“デジタル時代の著作権を考える”アーティスト本人達による団体として'99年2月に発足した「メディア・アーティスト協会(MAA)」によるもの。出演者は、ミュージシャンでありMAA事務局長の松武秀樹氏、ゲーム作家の飯野賢治氏、イラストレーターの中尊寺ゆつこ氏、CGアーティストの原田大三郎氏らMAAのメンバーのほか、デジタルガレージ会長の伊藤穣一氏の5名。松武氏を司会進行役にディスカッションが進められた。


伊藤氏、松武氏
伊藤氏(左)、松武氏(右)

 パネルディスカッションのテーマは、「インターネットは新たな作品流通経路となり得るか」「アーティストが望む権利コントロールのあり方」の2点。松武氏による、MP3、SDMI、仲介業務法などの概要解説の後、参加メンバーによるディスカッションが進められた。松武氏の解説は主に音楽作品に関するものであったのに対して、出席者は、ゲーム作家、CGアーティストなど他分野で活躍する人達ということもあり、多少チグハグな印象を受けたが、音楽関連でないからこその意見も多く出た。飯野氏は「これから、インターネットが作品の発表の場としてメインになるのは当たり前。音楽の分野を見ていて思うのは『怠けているな』ということ。自分達は、コピー防止まで含めて考えて作品を作っている。音楽家はJASRACやレコード会社がある中でイージーな生活をしてきた。自分がミュージシャンなら、専用のアプリケーションを作って勝手に作品を発表していく」と語った。また、伊藤氏は「音楽業界のシステムは昔から変わっていない。他の分野より遅れている」として、今後は「いろいろな方法があって、それを選べるのがベストかもしれない」と語っている。

中尊寺氏、飯野氏、原田氏
(左から)中尊寺氏、飯野氏、原田氏

 最後に、飯野氏は「メディアの使い方まで含めてアーティスト。例えば、薬の販売システムにおいて、薬局に対して富山の薬売りがあるように、いろいろな方法があるはず」。伊藤氏は「インターネットは自分勝手な人ばかりだと止まってしまう。ちゃんと使えば厳しい技術はいらない」と語り、松武氏は「今後の活動のためにも、(観客を指して)みなさんの支援が必要なのです」とMAAの活動をアピールしてディスカッションを終えた。

 MAAは2月に設立されて以来、こういった一般人を対象とするイベントに登場したのは初めて。

 なお、AKIBAX'99 インターネットショーin秋葉原では、パソコンや携帯端末など各メーカーの最新機種が展示されているほか、最終日の20日には、大仁田厚らが出演する「大仁田・角のデジタル・アキバ・トーク」などのイベントも予定されている。入場料は無料。買い物帰りに寄ってみるのもよさそう。

('99/7/19)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ

ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp