AOL傘下のICQは20日、Net2Phoneと4年間にわたる提携関係を結んだことを発表した。
Net2Phoneは国際電話の回線にインターネットを利用することで、格安の国際通話(米国まで世界のどこからでも10セント)サービスを提供している企業。今回のICQとの提携により、ICQの約3,800万人の会員に向けてマーケティングができるようになる。
しかし、この提携でより重要だと思われるのは、ICQがNet2Phoneと組んでICQプラットフォーム上で新しい音声通話サービスを開発する合意をしたことだ。
現在計画段階にあるこのサービスでは、(1)世界のどこからでも、普通の電話からICQ会員のPCに電話する (2)ICQ会員のPCから世界中の普通の電話に電話する (3)ICQ会員のPC同士で音声通話を行なう、という3つの利用方法が計画されている。このサービスを利用するには普通のPCにサウンドカードとマイクロフォンが接続されていればよい。通常の電話を利用する際の利用料金などは未定だが、ICQの会員同士がPCを使って音声通話をするサービスは無料で提供される予定となっている。
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ICQはインスタントメッセージ分野ではよく利用されており、AOLの公称では一日3億3000万通のメッセージがICQを利用して交換されているという。この数字は大手の電話会社の処理する通話数をしのぐものだ。現在ICQでメッセージを交換するにはキーボードで文字を入力する必要があり、音声通話をするにはNetMeetingなどの別のツールを立ち上げて利用しなければならず、その上通常の電話には掛けられない。しかしこのNet2Phoneとの開発が計画通りに進めば、文字通り普通の電話と匹敵する存在になる可能性がある。そしてこれこそがICQをコミュニケーションポータルたらんとするAOLの戦略ではなかろうか。
('99/7/21)
[Reported by taiga@scientist.com]