NTT東日本とNTT西日本は25日、ISDNによる定額通信の試験サービスについて、プロバイダー(ISP)向けに説明会を開催し、接続方法やスケジュールを説明した。
スケジュールとしては、ユーザーには9月にアナウンスが行なわれ、10月に申込を受け付け、11月よりサービス開始となる。ISPに対しては、9月1日~10日に事前相談を受け、その後に事前調査申込みを受け付け、協議や試験のあと参加ISPを決定する。試験サービスの開始時点で参加するのは10のISPで、以後増やしていく。10のISPは、事前調査申込みの先着順で、協議や試験で認められたところとなる。
ユーザーとNTT、ISPの接続方法は、以下のとおりとなる。まずアクセスサーバー(RAS)がNTTの収容局に交換機といっしょに置かれる。ユーザーは交換機で電話番号を照合されたあと、RASにPPP接続する。ユーザーがRASにアクセスするときには、IDにISP識別子を含んだものが使われ、RASからRADIUS方式でISPと通信して、ISPで認証を確認するようになっている。なお、NTTによると、RASはユーザー数だけ用意される。
NTTとISPの間は、1.5Mbpsのディジタル専用線または0.5Mbps~135MbpsのATM専用線で接続される。ユーザーに割り振られるIPアドレスもISPが用意する。NTTではISPに対し、ユーザー数だけ、グローバルIPアドレスで用意することを求めている。IPアドレスは、個別にISPが割り振る方法と、一定のアドレスレンジをNTTに渡しておいてその中から割り振ってもらう方法がある。個別にISPがIPアドレス割り振る方法なら、例えば同一ユーザーに対して毎回同じIPアドレスを割り振るといったことも技術的には可能で、ISPが対応すれば固定アドレスでサーバーを立てるといったことも考えられるわけだ。
実験地域は、ユーザー側の収容局が、NTT東日本で新宿区・渋谷区・大田区の3箇所、NTT西日本で大阪市中央区・大阪市北区・吹田市の3箇所。ISPとの接続点が、NTT東日本では東京都渋谷区の「東渋谷ビル」、NTT西日本では大阪市北区の「大阪北ビル」となる。ISPにかかる料金はIP網利用料(個別協議の)+接続回線費用となる。ユーザーは、以前発表されたように、およそ1万円でISDNのBchが1チャンネル利用できる。
説明会では、ISPからの「回線速度はベストエフォートか?」との質問に対し、NTTが「一般に通常のISPがISDN接続で提供しているスループットを満足できるようにしたい」とあいまいな回答をし、ISPが「それではどれだけの回線容量を用意すればいいのか見込みが立たない」と訴える一幕もあった。なおNTTでは、試験期間中のデータは、企業秘密以外は、全て開示すると説明した。
('99/8/25)
[Reported by masaka@impress.co.jp]