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【WORLD PC EXPO 99レポート】

「WORLD PC EXPO 99」で見かけた携帯型MP3プレーヤー

■URL
http://wpc99.nikkeibp.co.jp/

 千葉県の幕張メッセで11日まで開催されているパソコン関連の総合展「WORLD PC EXPO 99」では、国内メーカーの参入も始まった携帯型MP3プレーヤーの展示も多く見うけられた。今回は、会場で見かけたMP3プレーヤーをまとめて紹介する。

●アナログテープレコーダーをMP3プレーヤー化する「Rome」
http://www.unitec.co.kr/ (Unitech社)
http://www.mp-3.co.kr/ (製品情報)

Juli Rome
Juli
Rome
 韓国のUnitech社は、「Rome」と「Juli」という2種類の製品を出展した。

 Juliはデザインの異なる3つのモデルがある。一つは、丸味を帯びた縦長のもので、幅40mm×高さ100mm×厚さ18mm。クリップでベルトに止められるようになっている。もう一方は、幅55mm×高さ60mm×厚さ18mm。ストラップで首からぶら下げられるネックレス型だ。ネックレス型には、輪郭が微妙に異なる2種類が用意されており、シルバー、ブルー、ピンクなど6種類のカラーが展示されていた。3種類とも重さは38g。メディアにマルチメディアカードを採用しており、スロットが2基とパラレルポートが設けられている。単3電池1本で、最大7時間の再生が可能だという。

 注目したいのは、Romeのほうだ。形は音楽用のコンパクトカセットテープそのまんまである。普通のラジカセやカーオーディオなどで、テープの代わりにRomeをセットすることで、MP3が聴けるようになってしまうという製品だ。操作はテープレコーダーの再生/早送り/巻き戻しに追随するようになっている。Romeがあれば、使わなくなったウォークマンをMP3プレーヤーとして再利用することが可能になるわけだ(ただし、Rome自体にも操作ボタンとイヤホン端子が付いているので、わざわざテープレコーダーにセットしなくとも、これ単体で再生することは可能だが)。32MBのフラッシュメモリーを内蔵(64MBまで拡張可能)しており、パラレルポート経由でデータを転送する。充電式のガム型バッテリーで駆動し、最大6時間の再生が可能。会場では展示されていなかったが、配布されていたチラシによると、Romeとドッキングして使う「Rome Portable」なるものも開発中らしい。これは、Rome本体には付いていないLCDディスプレイを追加するもののようだ。

 データの格納時間については両製品ともに、メモリーが32MBの場合、ビットレートが32kbpsで約2時間、64kbpsで約1時間、128kbpsで約30分、256kbpsで約20分。Windows 95/98/NT用の転送ソフトなどが付属する。

 気になる国内での発売だが、現時点ではディストリビューターが決まっていないため未定だという。もし発売されるとすれば、Juliが1万円以下、Romeが1万円程度となるとしている。


●「yepp」のクローン?が9月中に国内で発売
http://www.yepp.co.kr/ (yeppの情報)
http://www.mcpiper.com/ (jazPiperの情報)

yepp jazPiper
yepp
jazPiper
 日本サムスンでは、「yepp」YP-E32を展示していた。YP-E32は、幅65mm×高さ87mm×厚さ17.2mm、金属的な質感のスクエアなボディに円形の操作ボタンを組み合わせたすっきりしたデザインをしている。会場には、シルバーとゴールドの2種類が展示されていた。MP3再生機能のほか、内蔵マイクを使ったボイスメモ機能、電話帳機能を備えているのが特徴だ。国内での発売が待たれている製品だが、今回は参考出品ということで発売時期については未定だという。年内にも発売したいとしており、価格についてもユーザーの声を聞きながら検討しているという。実際、会場でも、いくらなら買うかというようなアンケートをとっていた。

 一方、RFC Distributionという聞き慣れないシンガポールの会社のブースには、yeppにそっくりなMP3プレーヤーが展示されていた。「jazPiper」という製品で、ボディの大きさがほとんど同じ。LCDディスプレイや操作ボタンの配置も似ていることから、yeppを開発したサムスン社のOEMと思われる。ボイスメモ機能、電話帳を含めてスペックもほぼ同じだ。こちらは、パソコンとUSB接続できるMacintosh版パッケージがあるほか、シルバー、トランスルーセントのボンダイブルー、同じく蛍光黄緑、ピンクの4つのカラーが用意されている。国内でも9月下旬にも発売する予定だという。yeppの国内発売が未定だけに、購入を考えていたユーザーには、そのクローンとも言えるjazPiperが新たな選択肢になるかもしれない。価格は1万9,000円から2万円程度。


●アイ・オー・データ、超小型プレーヤー「HyperHyde」
http://www.iodata.co.jp/ (アイ・オー・データ機器)

HyperHyde  MP3プレーヤーと言えば、サムスンをはじめとする韓国メーカーのイメージがあるが、最近では国内メーカーも手がけるようになった。WORLD PC EXPO 99でも、アイ・オー・データ機器が「HyperHyde」MDM-H2を大々的に展示し、多くのギャラリーを集めていた。

 HyperHydeは、幅53.5mm×高さ47.2mm×厚さ16.6mmという超小型プレーヤーだ。面積だけ見れば、名刺サイズよりも小さい。その割にはちょっと厚みがあるような気がするが、それでも他の製品よりは薄い。電池も単4電池1本(これで7時間再生可能)なので軽く、これならシャツの胸ポケットに入れてもまったく気にならないだろう。記憶メディアには、マルチメディアカードを採用。32MBのものが1枚標準添付されており、これを使えば、128kbpsの高音質モードで約30分、64kbpsの低音質モードで約66分のデータを格納できる。11月出荷予定で、価格は1万9,800円となっている。


●謎のMP3製品も多数確認
http://www.lg-japan.com/ (LG電子ジャパン)
http://www.ijamworld.com/ (I-JAMの情報)

I-JAM
I-JAM(右下)
 LG電子ジャパンのブースでは、MF-PD330という製品を参考出品していた。ほとんどの操作を液晶リモコンで行なえるようになっているのが特徴だ。しかし、同社ではMF-PD330を国内で発売する予定はなく、次のUSB対応モデルから発売していくとしている。なお、MF-PD330については、富士通パーソナルズがOEMにより「FMP300S」(2万5,800円)という名称で発売している。ロゴのプリントなどが異なるが、機能は同じだ。

 このほか、MP3プレーヤーメーカー以外のブースでも、MP3プレーヤーを見かけることができた。例えば、コンパクトフラッシュやマルチメディアカードを扱うSanDisk社のブースには、同社のメモリー製品を利用しているMP3プレーヤーも一緒に展示されていた。携帯型の電子ペット育成ゲームを思わせるようなデザインの「I-JAM」や、家の形をした「Home/Office Messenger」(MP3伝言機と思われる)などである。ただし、他社製品ということで、ブースのスタッフも詳細は知らないという。後で調べてみたところ、I-JAMのWebサイトを発見。I-JAMは、FMラジオも搭載し、10色以上のカラーバリエーションを持つ製品だということがわかった。

 会場内には、日本では知られていないMP3製品が、まだまだ数多く潜んでいそうである。


('99/9/8)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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