David Bowieがインターネット上で新譜を販売するなど、活発な様子を見せるオンラインミュージックの世界。また、「MP3.com」や「EMusic」などのMP3紹介サイトも、ますます充実したラインナップを見せている。しかし、オンラインで配信される音楽が増えるに従い、聴きたい音楽を見つけるのも一苦労という状況になってきた。「Listen.com」や「Scour.net」などレビュー付きでオンラインミュージックを紹介しているディレクトリサイトもあるが、英語なのが難点。そこで登場したのが、日本語によるオンラインミュージックのポータルサイト「OOPS!」だ。
OOPS!は、ばらばらに配信されているオンラインミュージックについて、ディレクトリやレビュー/バイヤーズガイド、最新ニュースなどを総合的に提供するサイト。それらの掲載される情報はリスナーからの投稿により成り立っているのが特徴だ。ディレクトリでは、ロック、ポップスからクラシック、童謡まで細かくジャンル分けされており、MP3やLiquidAudio、WMAやMODなど、さまざまなフォーマットの音楽について、曲名、アーティスト名、データサイズ、時間、価格といった情報とともにレビューを掲載している。名前の知らないアーティストでも、レビューを読むことが聴くきっかけとなりそうだ。
ほかには、オンラインミュージック関連の最新ニュースをOOPS!独自のコメントを添えて紹介する「NEWS」コーナーや、「Winamp」「Liquid Player」「RealJukebox」などオンラインミュージックを楽しむためのツールについて、インストール方法や操作方法を解説した「初心者のためのオンラインミュージック講座」などのコーナーが充実している。また、週一回無料のメールマガジンも配信する。
なお、OOPS!は、オンラインミュージックの愛好者のグループによって運営されている。代表としてOOPS!を主催しているのは、ライター/編集者、また、Webマガジン「HotWired Japan」副編集長としても活躍する川崎和哉氏。川崎氏はOOPS!の狙いについて次のように語っている。「オンラインミュージックの世界では、既存のレコード会社がこぞって参入の構えを見せていますが、リアルワールドの音楽産業の構造がそのままオンラインに持ちこまれるだけではあまり面白くありません。音楽を作って送り出す人々にとっても、音楽を愛好するリスナーにとっても、それまでとは違う音楽シーンの姿が見てみたいという気持ちがあると思います。僕らはリスナーの側から、リスナー主導で、オンラインならではの音楽の『評価と流行』の市場みたいなものが作れたらいいなと思っています。そこで、リスナーがみんなでよってたかって作る、という、オープンソースソフトや『Open Directory Project』のような方法論が導入できたらと、現在思案中です」。
OOPS!は、日本語のオンラインミュージックディレクトリとして「役に立つ」サイトとなりそうだ。また、その運営方法にも注目だ。なお、現在、OOPS!の最大の悩みは、技術的な開発者と、編集者、投稿者がまだまだ不足している点だという。川崎氏は「興味のある方は、ぜひ、『OOPS!』に参加して、『OOPS!』をよりよく変えてください」と語っている。
('99/9/29)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]