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【オンライントレード】

手数料完全自由化後のオンライン取引、一部でシステム不備
大きな混乱はないという

■URL
http://www.monex.co.jp/
http://www.nomura.co.jp/hometrade/
http://www.matsui.co.jp/

 10月1日から手数料が完全自由化されたことや、それに伴う手数料引き下げ競争もあってオンライントレードが注目を集めている。自由化初日は、松井証券やDLJ direct SFG証券など一部の証券会社の取引が普段よりも活況となったが、全体としては注文が殺到するような状況とまではいかなかったようだ。

 そのなかで、オンライントレードを行なっている証券会社のいくつかにトラブルがみられた。

 マネックス証券では、1日の朝から一部の顧客がトップページにアクセスできなくなった。同社では、1日の本格営業開始にあわせてトップページから直接ログインできるようにトップページデザインをリニューアル。それに伴い、サーバー切り替え作業を9月30日の夜から開始したが、DNS(ドメイン名をIPアドレスに変換する分散型データベースシステムのこと)情報がインターネット全体に行き渡るのが予想以上に遅かった。このため、DNS情報が伝播しないDNSが存在し、古いIPアドレス(以前キャッシュされた情報)を返されたため、新トップページを表示することができないという事態が起こった。この場合、時間がたてばDNS情報が伝播されるため、つまり画面が表示されるため、システムダウンとまでは呼べないだろう。

 とはいえ、一部の顧客の投資機会をそぐかたちとなったことは否めない。この件に対しての投資家からの問い合わせは20件ぐらいあったが、特別大きな混乱はなかったという。また、ディスクロージャーを徹底するという企業方針もあり、今回の件に関してはすぐにWeb上で説明がなされた。1日現在で、口座開設申し込みは3万件を超え、口座数は5,000口座にのぼる。その後も予想を上回る口座数の伸びを示しているようだが、本人確認を徹底させているため口座開設作業が遅れており、必要書類を受理してから「口座開設のご通知」を発送するまで現在約10日間かかる状況だとしている。

 一方、野村證券の野村ホームトレードでは、4日の午前9時半から10時過ぎぐらいまでアクセスできない状態が続き、エラー画面が表示され取引が行なえない状況となった。一定時間にアクセスが集中し処理能力を超えたためとみられている。この件に関しての問い合わせは数件あったが、取引を支店に直接まわすなどの対応を行ない、大きな混乱はみられなかったという。ただし、今回のエラーに対応するため、来週実施を予定していたネットワークの増強を急遽この日の午後に行ない、処理能力を2倍に高めた。その後は円滑な取引が行なわれているという。

 また、松井証券のネットストックでは、4日の朝方から午前10時20分ぐらいにかけてシステムがダウンした。リアルタイム株価を表示させるサーバーが障害を起こし、それに伴いデータベース・サーバーも止めなければならない状況になったという。原因は、いくつかの要因がさまざまに重なったためとしているが、完全には特定されていないようだ。システムがダウンしている間は、電話取引に切り替える対応をしたが、問い合わせの電話も多かったため電話がつながりにくい状況にもなったとしている。翌5日は混乱がなかったものの、夕方から午後9時ぐらいまで一時的にサービスを停止してシステムのメンテナンスを行ない、再度6日の午前12時から7時までメンテナンスを予定。再びこのようなことが起きないよう万全を尽くすかまえだ。今回の件は、原因が完全に把握され今後の対応策がまとまりしだい公表するという。

('99/10/5)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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