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【Fall Internet World '99レポート】

まとめ~業界はサービス指向

Fall Internet World '99

 '99年秋のインターネットワールドを見る限り、業界動向は明らかに「サービス指向」に変わってきているといえるだろう。

 クライアントソフトウェア、つまり有料か無料かを問わず、ユーザーのPCにインストールして使うタイプのネットワークアプリケーションは姿を消しつつある(これまでは箸にも棒にもかからないものも含め、それなりにあった)。それから「(メジャーブランドの)コンテンツがWebになった」ということをウリにしたコンテンツサイトもなくなった。Webの作成・開発ツールもすでに実績のあるもののバージョンアップというところだ。

 こうしたものより、なんらかの機能を顧客に提供する「サービス」が旬になっているようだ。Webのインターフェイスを使って機能を提供するいわゆる「Webアプリケーション」である。もうハードもOSも関係ない世界だ。インターネットはあくまでインフラで、その上でどういうサービスを提供するのかということを追求すれば当然の流れなのかもしれない。先日発表され、今回も派手な演出をしているマイクロソフトのDNA 2000というコンセプトにしても、結局はサービスを作り出すためのプラットフォームのコンセプトなのだ。

 また、こうしたサービスを自社でコツコツと開発するのではなく、ソリューション全般を提供する「ソリューションプロバイダー」も日本より充実しているように見える。社内にインターネットの知識と技術を持った人がいなくても、アイデアとリソースを持ってさえいればインターネット上でのサービスを始めることができるという敷居の低さを感じる。

 そして最後に、各社ともインターネットの特性をとらえ、それを活かしたサービスを考え出しているということだ。情報をどのようなコミュニティーでいかに共有するか(たとえばクリスマスの「欲しいものリスト」やホワイトボードに代表されるように)ということをテーマにした商品やサービスが多く見受けられたのも特徴だ。

 これからのインターネットビジネスでは、顧客が素直に「使ってみたい」と思えるサービスを考え出せた企業が生き残っていくことになるのではないだろうか。

('99/10/12)

[Reported by Yoshihiro Nakajima/IPG Network, Inc.]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp