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【イベントレポート】

いよいよ開幕! インターネットから見る東京モーターショーレポート

 2年に一度開かれる世界最大規模の自動車展示会、「第33回東京モーターショー」がいよいよ始まった。一般公開は23日からだが、現在、プレス向けに取材日が設けられている。車の新モデルなどの情報は専門誌にまかせるとして、今回は、コンピュータ関連、特にインターネット関連に特化した情報をお届けする。

・クラリオンブース、日本向け「AutoPC」を参考出品

 クラリオン株式会社のブースでは、Windows CEベースの車用コンピュータ「Auto PC」のデモと、日本向けの参考出品などが見られる。「Auto PC」は、コンピュータ機能を備えているため、ナビゲーションやカーオーディオ機能などはもちろんのこと、Palm PC端末からIrDA端子やコンパクトフラッシュなどを使って住所録や地図データ、音楽データなどのやりとりも可能だ。今回展示されていた日本向けの参考出品は、従来発表されていた米国向けのモデルとは大きく変わり、MDやCDなどがついた2Din一体型のカーオーディオのような大きさだ。正面には、ザウルス程度のカラー液晶パネルと、液晶パネルの上にやや小さめの操作パネルが付いている。液晶パネルを下にスライドさせると、CDやコンパクトフラッシュなどが差し込めるようになっている。展示品はすべてケースで保護されており、実際に触れることはできないが、定期的にデモを行なっているので、会場に出かけたらぜひチェックしておこう。

・デンソー、iモードに対応したカーナビを参考出品

 株式会社デンソーでは、NTTドコモが計画しているiモードサービスに対応したカーナビの試作機を展示している。位置情報付きのデータとナビ地図とのリンクが行なえるのが特徴だ。メールを通じて友達同士で待ち合わせ場所(位置情報)の交換を行なったり、検索した位置情報付きのレストランデータをナビ地図上に表示したりできる。iモードはパケット通信方式を採用しているため、データ従量課金制。時間を気にせず、専用線のような感覚で利用できるのが特徴だ。このサービスはiモードで取得したデータを外部に流せる次世代のiモードに対応したもので、実用化の時期はまだ未定とのことだ。

 

 

・東芝ブース、Java対応のカーナビソフト「InfoMirror」を参考出品

 株式会社東芝のブースでは、エージェントを介してレストランやガソリンスタンドなどの情報を調べたり、駐車場を予約したりできる、カーナビ/車載PC向けのソフトウェア「InfoMirror」を参考出品している。回線は、携帯電話を利用。また、自宅のPCにアクセスして音楽データなどをダウンロードするといったことも可能という。InfoMirrorはJavaで作られており、ブースではノートパソコンでデモが行なわれていた。実用化は未定だが、「Javaに対応したカーナビが出れば」とのことだった。

・各社のコンセプトカーがおもしろい

 各社のブースでは、いずれ市販する目的でつくられた車や、メーカーの技術力をアピールするために作られた「コンセプトカー」が展示されている。デモやカタログをチェックすると、いくつかのメーカーでモバイルに関連した機能を搭載したコンセプトカーが展示されていた。

 まず、日産のブースでは、「CYPACT」と呼ばれる超低燃費車「3リッターカー」が展示されている。この車には「モバイルPCナビ」と呼ばれる機能が搭載されている。展示の関係で、実際に中を見ることはできなかったが、話しによれば、自宅などで集めたドライブプランをノートパソコンなどを通じてIrDAで接続し、そのままカーナビに転送できるほか、カーナビからパソコンに移すこともできるという。従来のコンパスリンクとは別のもの。日産では、時間の空いているときに自宅でプランを立て、そのデータをそのまま利用できるのが自然ではないか、との考えから「モバイルPCナビ」を発案したという。現在はIrDAで接続しているが、最終形ではないとのことだ。

 日本ゼネラルモーターズ株式会社のブースでは、キャデラックのコンセプトカー「エボーク」が展示されている。こちらも残念ながら車の中や実際に動作しているところは見られなかったのだが、Windows CEを搭載した「Communiport」と呼ばれるシステムを採用しているという。電子メールの送受信やIrDAを通じてPDAなどとの相互通信などが可能。また、コンソール中央部にフラットパネルディスプレイが装着されており、スクリーンにリアの映像が映し出されるなど、最新テクノロジーを使っているとのことだ。

 

・番外編:こんなところでもインターネット!?

 ダイムラークライスラーのブースを歩いていて、まず目に入ってきたのが「Java」の文字。車を見てみると、コンパクトなワンボックスタイプのコンセプトカー。しかし、ドアのサイドやリア、車の中を見るとカップフォルダーにささったカップなど至るところにJavaの文字が。慌ててカタログをもらってみると、「Java」は単なる車の名称。「Sun Microsystemsが製造したり販売しているソフトウェアやハードウェアは含まれていません」との但し書きがされていた。「なーんだ」と思ったのは言うまでもないが、でも、パソコンやインターネットの仲間になら、かなり受けそうな車という印象を受けた。話のタネにどうぞ。

 

・モーターショーでもiMacが大はやり?!

 ホンダ技研工業株式会社の二輪ブースでは、なんとiMacカラーのスクーターが勢揃い。「GIORNO Crea Deluxe」、「Julio」、「Live Dio」の3つのモデルのスクーターが参考出品として展示されていた。ピンク、オレンジ、ブルー、イエローと色とりどりのスクーターが10台近くも並び、注目を集めていた。ふだん外で利用するだけに、汚れると、かなり苦しい色になりそうなのが心配だ。

 iMacといえば、会場でもいくつかのブースで活躍していた。各車の説明や、アンケートなどに利用されているのだが、先進的なデザインの車と、iMacの組み合わせは確かにちょっとオシャレな感じがする。また、プレスルームには、部屋の1/3近くを使い、数十台のインターネットが自由に使えるパソコンが用意されている。さまざまなメーカーのパソコンが使われていたが、やはりここでもMacintoshが数台置かれており、G4モデルだった。プレスルームは国際色豊かで、さまざまな国から取材にやってきている様子。「hotmail」などのWeb経由でメールを送受信できるサービスを使っている姿が見られた。ちなみに、日本のコンピュータ関連の展示会では、一番大規模の展示会でもプレス向けにこれほどのインターネット接続環境が用意されることはあまりない。さすがは世界最大規模の自動車展示会である。 

('99/10/20)

[Reported by junko@impress.co.jp]


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