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【業界動向 / オンライントレード】

FP特化の証券、アドバイザーテックの戦略
アドバイスを必要とする投資家が今後増加へ

■URL
http://www.advisortech.com/
http://info.advisortech.com/jp/index1.html (日本のトップページ)

 アドバイザーテックとアドバイザーテック証券が21日、事業展開や戦略について説明した。

岡博志氏
 アドバイザーテックは、本年1月に米国AdvisorTeck100%出資で設立された。投資業務に関わる技術とサービスを提供し、世界の投資信託会社が運用する投資信託商品を100%子会社のアドバイザーテック証券を通じて提供する。岡博志アドバイザーテック代表取締役社長は「どの金融グループにも属していないことで客観的、中立的にサービスを提供できることが強み」としている。

 証券会社といっても、最近注目を集めているいわゆるオンライン証券やインターネット証券とは少し意味合いが違う。これらオンライン証券は、最終投資家(一般投資家)向けに株式などの取引仲介や金融情報などのサービスを提供するが、アドバイザーテックはフィナンシャルプランナー(FP)にサービスを提供する。つまり、最終投資家からみれば、FPを通して間接的にアドバイザーテックのサービスを受けることになるわけだ。投資家が直接アドバイザーテックとやり取りすることはない。FPとは、簡単にいえば顧客のライフプランに合わせて総合的な資産設計をアドバイスする人のこと。日本FP協会では、日本のFP資格者は現在5万人を突破したという。ただ、他のFP育成企業や会社内育成などもあり、実際のFP資格者数はこれをかなり上回るだろう。

 具体的に説明すると、FPはまずWebからアドバイザーテックにコンタクトする。その後スクリーニング・プロセス(審査など)を経てトレーニングを受ければサービスを提供される登録FPになる。外務員有資格者はこの一連のプロセスがだいたい1ヶ月、外務員資格が無い者は同資格を取得しなければならず、約3ヶ月の期間がかかるという。

 FPに提供されるサービスは、ほぼすべてWebを介して行なわれる。FPの顧客情報入力、顧客ポートフォリオ(資産構成のことで株式や債券、商品などの各種金融資産の一覧表)やアセットアロケーション(金融資産や現金などの資産配分)の構築・提示、ファンドの販売、顧客に対する報告書作成等々まで、Web上で包括的に行なうことが可能だ。

Timothy F.McCarthy氏
 日本でもオンライントレードが急速に進展しているが、来日したTimothy F.McCarthy AdvisorTech最高経営責任者は「米国と同様に、自分自身の考えのみで投資判断する独立独歩型の投資家とアドバイザーに頼る投資家の2つのタイプに分かれていくだろう」と語った。米国では、オンライントレードが盛んになるに連れ、FPの数も増加していったという。特に、富裕者層はプロのアドバイスに頼って投資する傾向が強い。日本では現在、アドバイザーに頼らないタイプの投資家が増えているが、今後1~2年でこれらの投資家が占める割合は全体の25~30%ほどになるだろうと予想している。このほかの投資家は、アドバイスも受けながら自分自身の判断で投資していく。

 アドバイザーテックの登録FPは現在24名いるが、来年1月には100名ほどになる見通し。今後数年で600~1,000名ほどに増やしていく考えだが「数が増えればよいわけでなく、あくまでもクオリティーを高めていくことを重視していく」(McCarthy氏)という。

('99/10/21)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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