■URL
http://www.w3.org/1999/10/28-P3P-IntermindPatentAnalysis-PressRelease
W3Cが開発を進めているプライバシー保護技術P3PがIntermind社の特許を侵害しているとされていた件で(本誌5月6日号参照)、W3Cは28日、P3PはIntermind社の特許を侵害していないとの見解を発表した。
P3Pはユーザーのプライバシーを守るための技術で、ユーザーが自分のプライバシー情報をどれだけアクセスしたWebサイトに開示するかをXMLを使って設定することが出来る。W3Cがドラフトを発表して以来、すでに幾つものメーカーがP3Pを実装した製品を発表しており、もはやプライバシー保護には不可欠な技術の1つとなっている。
W3Cは著名な特許弁護士のBarry Rein氏にP3PとIntermind社の特許についての分析を依頼。その結果、Intermind社の特許を侵害しなくてもP3Pを実装できるという結論に至った。
Intermind社の特許の中には「制御構造」として使用される「通信オブジェクト」なるものが明記されており、これはオブジェクト指向技術に基づいてプログラムの指示と関連するメタデータを一括してクライアントからサーバーに送ることのできるものだ。しかし、Rein氏らの分析によれば、W3Cが開発しているP3P技術の中にはそのような制御構造はない。従ってP3PはIntermind社の特許に束縛されないという法的な裏付けが得られた。
もっとも、これはW3Cが一方的に自分たちの見解を発表したものであるために、これで法的な論争が完全に決着したとは必ずしも言えないことに注意しておく必要があるだろう。
('99/10/29)
[Reported by taiga@scientist.com]