■URL
http://www.iaj.or.jp/iaj/iajnews/news/991124.html
来年7月横浜で開催されるインターネットソサエティー(ISOC)の国際大会「INET2000」を前にして、日本インターネット協会(IAJ)は24日、「INET2000」の告知および企業スポンサーの募集も兼ねた無料セミナー「新世紀を迎えるインターネット~INET2000がやってくる」を開催した。
はじめに、日本インターネット協会会長高橋徹氏が「次世代インターネットの課題」をテーマに講演。日本のインターネット産業の動向と「INET2000」を日本に召致するまでのいきさつなどを紹介した。同氏はさらに、インターネットは国家および企業の情報戦略の根幹をなすものであり、この分野においてアジアでの先進性を失うと経済の長期低落傾向からの脱出は不可能と警告。日本経済の復興はインターネットの一層の発展から始まるとし、「INET2000」の成功は日本経済の発展の鍵を握ると強調した。
続いて、インターネット総合研究所所長藤原洋氏が「次世代インターネットの動向とビジネス戦略」と題して講演。同氏はここ数年でCATVやADSLなどの高速アクセスサービスや、高速IPバックボーンサービスが急速に普及するとし、IXに直結したデータセンターサービスなどの需要も高まると報告した。また、同氏はアメリカ・カナダで産官学が一体となって次世代インターネットのインフラ構築に実績を挙げていることを例にとり、今後日本においても政府資金+ベンチャー主導型などのビジネス構造の変革と産官学による共同研究開発が益々重要になると述べた。
同氏はさらに、パネルディスカッションにおいてNTTなどの定額制導入の問題に触れ、金額の妥当性は、電子商取引に関わる取引額および流通コストとの対比で論ずべきと述べ、4%以下に抑えるのが適当との見解を示した。さらに現在電話回線による定額制導入に注目が集まっているが、CATVやADSLなどの含め、インターネット利用のアクセスインフラとして何が最適かを総体的に論じる必要があると強調した。
「INET2000」では、米国Internet2と協力して次世代インターネットの具体像を描くために広帯域バックボーンの実験およびデモを行ない、また、今回のISTF(Internet Society Task Force)の発足を受けて、技術以外の社会・経済的諸問題を扱うカンファレンスを多数開催する予定。さらに、関連イベントとして正式に活動を開始したばかりのICANNのミーティングも予定されている。日本インターネット協会では、「INET2000」の開催にあたり4億6,000万円の予算を必要とし、今後企業などに寄付金(内1億円は入場料など)を募っていくとしている。「INET2000」は、2000年7月18日から21日までパシフィコ横浜で開催される。
('99/11/24)
[Reported by kokubu@impress.co.jp]