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【業界動向】

目指すは「携帯でAOL」――AOLが文字入力方法開発企業Tegicを買収

■URL
http://media.web.aol.com/media/press_view.cfm?release_num=5100401&title=AOL%20Acquires%20Tegic%20Communications
http://www.tegic.com/

 米America Online(AOL)は1日、電話機のキーパッドを使って文章を入力する技術を開発している米Tegic社の買収を発表した。買収金額などの詳細は明らかになっていない。

 Tegicは、文字入力方法「T9」を開発したことで特にモバイルユーザーなどには知られる企業。携帯電話などで文章を入力する場合、電話のテンキーはキーの数が少ないために極めて入力しづらい。例えば、「5」の数字の上ではアルファベットの場合「J」「K」「L」の3文字が入力できる。しかし、「L」を入力したい場合は3回キーを押さねばならない不便さがあった。T9はこの問題を解決するために各言語を言語学的、統計学的に分析した。次に来る文字のうちどれが一番確率が高いかを推測し、キーを押す手間を省いてくれる。現在の所、主な西欧言語や中国語、日本語など14の言語に対応し、世界中で20の携帯電話会社がこの技術をライセンスしているという。

 AOLがこの企業を買収したのは「AOL Anywhere」(どこでもAOL)戦略を実現するため。例えば、携帯電話やPDAなどの他の小型デバイスからもAOLを利用できるようにするためにT9を利用したい考え。現在、Tegicでは携帯機器で利用するための軽い「AOL Instant Messenger」を開発している。このソフトには文字入力ソフトT9が内蔵されており、WAPなどの規格にも対応している。

 AOLは以前から「AOL Anywhere」戦略を実現すべく様々な手を打ってきているが、非常に実際的な文字入力方法を採用したことで、近い将来に携帯電話からAOLのフルサービスが利用できるようになるかもしれない。

('99/12/2)

[Reported by taiga@scientist.com]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp