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NTTデータ代表取締役社長青木利晴氏 |
基調講演では、「利用者主導のネットワーク社会の到来」と題しNTTデータの青木利晴代表取締役社長が語った。
マルチメディアと呼ばれてきた市場が具体化してきたことで情報流通が変革し「これまでのサプライヤー主導からコンシューマー主導のネットワーク社会が到来してきた」としている。
マルチメディア市場は、iモードなどパーソナルな通信サービスである「移動体通信」、デジタル化した映像や音声などの配信・売買も可能となってきたデジタルコンテンツ流通の「インターネット」、ビジネスのための情報通信サービスである「システムインテグレーション」の3つに具体化した。
この具体化により、今後情報流通に3つの大きな波が予想される。プレウエーブでは、BtoB、つまりビジネスにおけるIP需要が高まり情報流通の基盤ができた。そして、まず2000年からはじまる第一波として「放送のデジタル化とネットワークTV」が挙げられる。デジタル化されたテレビはアンテナだけではなく、ネットワークにもつながる端末となる。そして、インタラクティブに情報のやり取りや決済までもこの端末を使って可能になる。
次に2002年頃から来ると思われる第2の波は、「メディア・バザール」と呼ぶものでマスメディア企業のサイバー化のこと。放送や広告、出版、音楽、ゲーム業界などが早くて低価格のコンテンツを大量に流し込むだろう。
そして、2004年頃からは「メガコンテンツ」の第3の波が訪れよう。SOHO、地域、家庭に本格的にコンテンツが流通する時代だ。
このような波が到来してくるのと平行して、アクセス端末もいくつかに集約されよう。これまでは、サービスごとに別の端末を使わなければならなかった。しかし、将来のコンシューマーアクセス端末は、パームやゲーム機などと統合された次世代PC、IPアドレスが搭載されたネット家電、3年後導入のIMT-2000の次世代携帯電話、日本独自のインフラでもあるコンビニ設置端末など4つぐらいの端末に集約されると予想される。あらゆるサービスはネットワーク上で統一されており、コンシューマーはこれらの端末からサービスを選択することになる。
まとめると、初期のインターネットでは、サプライヤーが主導してマーケットを立ち上げてきた。今後はコンシューマー自身がインターネットをブラウズし、お仕着せではなく自らが情報を入手し、それを利用、または価格などの交渉も行なえるようになる。そのような時代では、ビジネスとしては最終消費者が大切でBtoCの動向を意識した展開を考えることが重要になってくるだろう。
(1999/12/9)
[Reported by betsui@impress.co.jp]