INTERNET Watch Title Click

【業界動向】

リキッドオーディオ・ジャパンの公開価格は300万円に決定
マザーズのディスクロ―ジャーは十分か

■URL
http://www.tse.or.jp/mothers/ (マザーズ)
http://www.liquidaudio.co.jp/ (リキッドオーディオ・ジャパン)

 東証の新興企業向け証券市場マザーズに今月22日上場が予定されているリキッドオーディオ・ジャパン(コード4740)の公開価格が14日に発表された。

 仮条件は1株あたり180万円~300万円だったが、その上限の300万円に決定された。申し込み期間は12月15日から17日、払込日は12月21日。

 リキッドオーディオ・ジャパンは、インターネットなどを使った音楽の販売システムを手掛けている。業績は、1999年6月期実績で売上高が5,208万円、経常利益が2億8,402万円の赤字となっており、2000年6月期の今期予想では売上高が6,000万円と15%増、経常利益が2億8,000万円の赤字と損失が続く見通し。事業が本格化するのはまだ先のことだが、インターネット関連ということとマザーズの初モノのひとつということか、公開価格は上限に決定された。

 一方、マザーズのWebサイトは11月29日に開設され、「新規上場会社の概要」などもPDFファイルで掲載されている。しかし、なかなか最新情報は掲載されず、例えば今回のリキッドオーディオ・ジャパン、先のインターネット総合研究所の公開価格は情報がない。

 上場する際には「上場会社概要」という資料が作成され、当初の作成時には未定になっている欄もあるものだが、未定の部分が決定されれば随時その箇所を埋めて、そのたびに「上場会社概要の訂正」というかたちで記者クラブには配布される。リキッドの場合は、引受幹事団とその引受株数が当初未定でその後決定されたが、Webに掲載されているものは最初に発表された「上場会社概要」で未定のままとなっている。

 東証関係者は「どこまでを公開するべきか判断が難しく、そのニーズがあるかも分からない。また、翌日になって新聞を読めば分かることでもあるし――」と話す。

 しかし、東京を皮切りに始まった「マザーズ説明会」では、インターネットを最大限に活用していくことを強調しているし、タイムリー・ディスクロージャーも欠かせないことだと説明している。

 Web開設と同時に「Mothers Supporters Club」というメールマガジンの登録受付も行なわれている。これは「会員の皆様にMothersに関する各種情報を配信することで、Mothersへの関心を高め、その健全な発展を図ることを目的」(Webから引用)に無料で配信するものだが、開設1ヶ月経つが配信はまだ1度も行なわれていない。今日現在までの登録件数は、一般向けが2,263、上場希望会社向けが385、アナリスト向けが259で合計2,907。まだ配信をしていないこともあるだろうが、注目されている割には少ないと考える。単純比較はできないが、日本銀行の「新着情報」メール配信サービスは11月末現在で配信数約 14,900件。

 東証の広報では「まだ配信を開始する準備が完全には整ってなく、いつから開始するのか、内容の詳細をどのようにするのか最終決定していない」とし、「投資家たちがどのような情報を欲しがっているのか調査を続けているので、要望があれば電子メールなどでどしどし教えて欲しい」としている。

(1999/12/14)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ

ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp