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【年末企画】

ちょっと気になる、あのニュースのその後 第2回

地域振興券はISPの売上増加に貢献したか?


 今年本誌で紹介してきたニュースをピックアップし、記事掲載後の動きをレポートするこの企画。2回目は、2月8日に掲載した「インターネット接続料金を地域振興券で」という記事をとり上げる。ISPのCNET東京が、接続料金の支払いに地域振興券が使えるキャンペーンを実施するというニュースだった。果たして地域振興券はISPの売上増加に貢献したのだろうか?

 キャンペーンが行なわれたのは2月から10月まで。CNET東京では、販売代理店を通じ、アクセスポイントのある都内23区すべてのユーザーが地域振興券を使えるようにした。ところが、期間中に「利用したのは1人だけ」(CNET東京)。地域振興券での利用者には3カ月の無料接続という特典を付けたにもかかわらず、問い合わせもほとんどなし。別にこれで加入者増加を狙ったわけではなかったが、「ここまで少ないとは予想していなかった」という。同社では、幼児やお年寄りのいる家庭に配られた地域振興券は「インターネット接続サービスとはミスマッチ」だったと現実を振り返る。ただ、まったく効果がなかったわけではない。CNET東京の上川氏は「行政のサービスに対応したということで、企業のイメージが上がった」と述べている。

 さて、CNET東京が先陣をきった地域振興券への対応だったが、もちろんその後も同様の対応をするISPが現われた。検索エンジンで探しただけでも、府中インターネット、北関西ジャパンネット、Wave-Net、Inet Proインターネットサービス、イエス・インターネット・サービス、CDKインターネット、ディジタル・プロ、群馬インターネット、Asama Internetといった地域系ISPが地域振興券キャンペーンを行なっていたことがわかった。CNET東京と同様、地域振興券での利用には特典を設けていたところが多く、中には通常3万5,000円もする入会費/年額利用料を大幅にディスカウント、地域振興券の発行額である2万で提供しているところもあった。特に新規入会者にとっては、お得なキャンペーンだったと言えよう。

 しかし、編集部で何社か問い合わせてみたところ、利用者は「まったくいなかった」(府中インターネット)、「一人もいなかったと思う」(北関西ジャパンネット)、「1件もなかった」(CDKインターネット)という結果。これらのコメントから察するに、どうやら、地域振興券はISPの売上増加にはほとんど貢献していないようだ。

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(1999/12/22)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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