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【INTERNET Watch 創刊4周年記念企画】

キーワードとデータで振り返る
4年前のインターネット

 4周年企画第3弾は、4年前のインターネットの内外の状況について取り上げてみよう。
 '96年はインターネット元年とも言われた年。Windows 95の発売がインターネット熱を盛り上げ、それまで学術ネットワークとしての要素が強かったインターネットが一般層に広がった時代とも言える。そこで起こった出来事には何があったか、そして当時の出来事が現在のインターネットに与えている影響を考察した。
 後半では当時のインターネットに関するデータをまとめた。数字や懐かしいプロバイダー名から、インターネット黎明期を振り返ってみるのも一興では?

●情報化、ネットワーク化、コンテンツがキーとなる
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 当時1996年の社会的な環境をみてみる。政治的には、1月11日に橋本内閣が「改革と創造」を掲げ発足した。そして、住専の処理や金融、行政、財政構造改革などを推し進めた。ビックバンとまで呼んでいいかどうかの評価については、人によってまちまちだろうが、現在のオンライントレードが台頭したきっかけである株式売買手数料の自由化や、中小企業の振興、つまりベンチャーブームの元になった政策を橋本政権が行なったことは確かだ。

 大きな事件としては、北海道のトンネル崩落事故、英国の狂牛病、O-157流行、ペルー日本大使公邸占拠、薬害エイズで安部元帝京大学副学長逮捕、オウム松本被告の公判開始などがあった。ほか、はやったものとしてはプリクラやナイキのエアマックス、猿岩石などがあった。

 さて、本命のインターネットの環境を考えると、当時は「リストラ」という後ろ向きのテーマにかわり、「情報化」や「ネットワーク化」が盛んに叫ばれるようになった年である。注目された商品や技術としては、Windows 95発売効果もあったパソコンや、携帯電話、PHS、家庭用カラオケ端末、ネット接続可能な次世代ゲーム機(この年にNINTENDO64発売)、CATV、DVD、カラーPDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)、ワイドテレビ、デジタルカメラ、リチュウムイオン電池、カーナビなどが挙げられていた。このなかで、カラオケ端末は消えていった。DVDやカラーPDPは今もまだ普及しているとはいいにくいところだろう。

 また、メディア王とも称されるルパード・マードック氏がテレビ朝日に出資したことをきっかけとして、メディアの多チャンネル化が指摘され「コンテンツ」という言葉が登場してきた。実際、この年にはCSデジタルの「PerfecTV(現SKY PerfecTV)」が開局した。

●インターネットが一般家庭に普及する元年
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 このような流れのなか、インターネットが一般家庭に普及していった元年ともいえる。それを反映するかのように、2月にはインターネット上の「わいせつ」なホームページを警視庁が初摘発(本紙'96年2月2日付け記事)というニュースもあった。

 当時、世界全体でインターネットを利用している人口は約4,000万人で、現在は1億6,000万人以上ともいわれ4年間で4倍以上に伸びている。全世界のインターネットのホスト数は1996年1月現在で947万2,224。これが1999年1月現在で4,322万9,694と、3年間で4.6倍になっている。現在ではもっと増加していることはいうまでもない。

 また、日本のJPドメイン名の登録数は1996年2月に5,256(ドメイン接続数は3,896)、2000年2月に13万1,156(同12万3,668)となっており、4年間で25倍(同32倍)もの伸びを示している。

●インターネットビジネスも開花へ
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 一般に普及していくに連れ、インターネットビジネスが本格化していく元年ともいえる。当時は、まだCisco SystemsやIntel、Microsoft(ウインテルという表現もはやった)、Netscapeなど、どちらかといえばインフラ的なビジネスが主流で、コンテンツ的なビジネスはこれからといったところだった。日本でも、情報ネットワーク関連といえばNECや富士通、NTT、京セラ、松下通信などといったインフラ面の強い企業が挙げられていた状況で、ソフトバンク(当時は店頭市場に公開)なども極めて注目されていたわけではなかった。

 コンテンツ系でいえば、米国ではYahooが1996年4月12日にNasdaq市場にIPO(株式公開、Yahooのサービス開始は1994年4月)したことをきっかけに、コンテンツを中心としたインターネットビジネスに注目が集まりだした。Yahooの総収入は1996年12月期に1,907万3,000ドルだったが、1999年12月期には5億8,860万ドルと31倍に伸びている。株価は、IPO価格から現在までにおよそ145倍も値上がりしている。翌年の5月にはAmazon.com(サービス開始は1995年7月)が株式公開し、さらに翌年の1998年には広告のInktomiやオークションのebayというように次々に公開していったことでコンテンツ、サービス、電子商取引(EC)などのビジネスが本格化していくことになる。

 日本では、ちょうどヤフー・ジャパンが1996年1月末に設立され、4月からサービスが開始された。1997年3月期の総収入が4億1,300万円で、1999年3月期の総収入は19億1,500万円と4.6倍に伸びている。店頭公開は1997年11月14日。株価は、最近日本で初めて1億円台に乗せたことで騒がれ、公開初値から50倍に上昇している。

 ただし、売上・収入の伸びに比べて利益が出ないというのがインターネット上のビジネス。将来、マーケットを獲得して利益を得るために今のうちにマーケティングや設備など先行投資を積極的に行なっているためだが、コンテンツビジネスの面では今後この点がどうなるかが注目されよう。

 また、再びインフラ面に注目が集まる可能性も大きい。パソコン以外の接続端末や、ブロードバンド(広帯域)がキーとなっていくだろう。


●データで見る4年前のインターネット
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※データはインターネットマガジン及びインターネット白書を参照。一部推測値を含む

■ユーザー像 1996年 2000年
・人口比 約125万人 1500万人以上
・男女比 男性が9割以上 男性6割:女性4割
・ユーザー像 8割以上がPC3年以上のベテラン 4割が初心者
 
■プロバイダー 1996年 2000年
・プロバイダーの数 254社 912社
・人気のプロバイダー BEKKOAME @ニフティ
RIMNET So-net
ASAHIネット ODNダイヤルアップ
ニフティサーブ BIGLOBE
IIJ DTI
アスキー・インターネット DREAM NET
C&Cインターネットサービスmesh Panasonic Hi-Ho
So-net OCNダイヤルアクセス
Infoweb ぷらら
BNNインターネット ASAHIネット
・接続料金(月15時間使用した場合の上記10社の料金帯) 1666~25000円 1500~3500円
 
■個人使用回線 1996年 2000年
アナログダイヤルアップ 9割以上 3割
ISNダイヤルアップ 1割以下 4割
専用線(OCNなど) ほぼ0 約2割
ケーブル、衛星など ほぼ0 約1割
※INSテレホーダイは'96年1月より、OCNは'96年12月より開始。
 
■使用OS 1996年 2000年
[Windows] 4割 6割
[Macintosh] 4割 2割
Linuxほか 2割 2割
 
■使用ソフト 1996年 2000年
・代表的なWebブラウザー Netscape Navigator2.0(※有料) Internet Exploler
infoMosaic Netscape Communicator
HotJava  
WebSurfer  
Internet Exploler(96/2~)  
・代表的なメールソフト[Windows] Netscape Mail Outlook Express
Microsoft Exchange Netscape Messenger
Al-mail Al-mail
We Mail Becky!
・代表的なメールソフト[Macintosh] Netscape Mail Netscape Messenger
Eudora-J Eudora Pro
  Outlook Express
  Arena
・ストリーミングプレイヤー Real audio Real Player7
Streamworks Windows Media Player
VOD Player QuickTime4.0
・代表的なプラグイン Shockwave Shockwave 7.0.3
WebFX FLASH 4.0
RealAudio Real Player
VDO Live Adobe Acrobat 4.0
FormulaOne MIDPLUG
CMXViewer  
Fractal Viewer  
 
■そのほか 1996年 2000年
・HTMLのレベル 3 4.01
・インターネット喫茶 103 73

(2000/2/3)

[Reported by betsui@impress.co.jp / aoki-m@impress.co.jp]


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