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http://www.globalnetrade.co.jp/
http://www.globalnetrade.com/
外国証券を専門に扱うオンライン証券会社、グローバルネットレード証券が6月を目途にサービスを開始するために準備を進めている。
同社は昨年10月に設立され、3月14日付けで証券業登録を完了した。現在の資本金は1億6,000万円で、光通信キャピタルLPが2割程度出資しているほかは、すべて経営陣が株主。5月下旬から6月にかけて第3者割り当て増資を行なう予定で、証券会社など金融機関をはじめ広く出資者を募り、アライアンスを組んでいくかまえ。
社員は現在8名。代表取締役社長兼最高経営責任者のサーフォ・エドウィン・ジョセフ氏は、クレディ スイス ファースト ボストン証券でヘッジファンドを運用していた経験をもつ。他の経営陣もプルデンシャル証券のアナリストやファンドマネージャーなど外国証券出身。
グローバルネットレード証券は、個人投資家からの注文も直接受ける予定ではいるが、それよりも業務の中心とするのが、オンライン証券会社や小規模の機関投資家に対してサービスを提供すること。個人投資家からの注文を中心に受ける通常のオンライン証券をB to B型のオンライン証券とするならば、証券会社に対して取次ぎ業務を行なうB to B型のオンライン証券を展開していくという。
外国株式など外国の有価証券を証券会社が顧客に提供するにはかなり難しい面があり、実際に現在オンライン証券で扱っているのはDLJdirect SFG証券、今川三澤屋証券などごくわずかしかない。例えば、DLJの場合は親会社が米国なので米国株などを扱うのは相対的にそれほど難しくないが、現地法人などがない今川三澤屋証券ではかなり苦労して外国株を提供している。
現地法人がない場合などは、現地で注文の取次ぎを行なってくれる証券会社をまず探さなければならない。オンライントレードなど、基本的に小口の注文が多数あるような場合は、なかなか現地の証券会社が受けてくれない。手間ばかりかかるのに実入りが少ないためだ。
取り次いでくれる証券会社が見つかったとしても、取次ぎ手数料などコストの面で折り合いがつかないことが多い。このコストが高いと、実際に個人投資家など顧客に提供するときの手数料に付加させなければ、取引毎に赤字になることもありえる。そうかといって、コストを付加させれば顧客の手数料がその分高くなり、妙味が薄くなってしまうため注文がなかなかこないといった状況に陥ってしまう。
ほかにも、注文の取り消しや訂正がスムーズに行なわれなかったり、伝票などバックオフィス関係が上手くいかないといったケースが非常に多いのだ。こういった面が、日本人の外国株の直接投資を抑えている要因のひとつにもなっている。
また、外国の有価証券を取引する場合、国内取次ぎ手数料、現地での売買手数料のほか為替手数料などもかかるため、為替取引を行なってくれるところも探さなければならない場合もある。
こういった面を、グローバルネットレード証券がかわりに行なうというわけだ。自社で構築したインターネット・システムを使って、各国の提携証券会社とネットワークをつなぎ、低コストでの仲介サービスを提供する。このサービスを使えば、例えば外国株式を扱っていないオンライン証券会社などが、これまでのような苦労を伴わずに顧客に外国株式など外国の有価証券取引を提供することが可能になる。自社でシステムを構築することも不要。
当初、サービスを提供するのはNYSE、Nasdaqなど米国主要市場と日本市場。本年中には欧州、アジアの主要市場にも広げていく計画。取次ぎ手数料は、売買代金1万ドルまで1取引29.95ドルを適正な水準と考えているとしている。
(2000/3/15)
[Reported by betsui@impress.co.jp]