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【業界動向】

光通信が決算と経営方針を発表、一転営業赤字予想で不透明感払拭とはならず

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http://www.hikari.co.jp/

会見する重田康光社長
 光通信(9435)は24日、中間決算発表と今後の経営について記者会見を開いた。会見前に司会者が「会見の途中で会見を妨害するような行為が少しでも見られた場合は即刻中止いたします」と述べ、かなりの慎重姿勢で望んでいることが受け取れた。

 同社に対しては、ディスクロージャーや経営姿勢について不信感が生まれているほか、さまざまな噂や観測も流れており、また、実際に代理店が自己破産するなどネガティブな材料やニュースが相次いでいるが、会見の冒頭で重田康光社長は「株価が下落したことや、世間を騒がしたことについて申し訳ない」と述べた。

 この日の株価は朝方からストップ安売り気配が続いていたが、前場終了直前に17日ぶりに前日比2,000円安(9%安)の1万9,800円とストップ安で売買が成立、一時は800円安(4%安)の2万1,000円まで回復する場面もあったが、再び売り気配となり、大引けでは結局ストップ安の1万9,800円で比例配分となった。比例配分で売買が成立したのはおよそ5万2,000株で、約150万株の売り物を残した。同社の株価は上場来安値を連日更新している。上場来高値は本年2月15日の24万1,000円で、この高値から約2ヶ月で10分の1にまで暴落しているのだ。

 2000年8月期中間決算(2月末)は、売上高が1,913億1,400万円と前年同期比92.2%の大幅増加となったが、携帯電話の販売代理店への報奨金が負担となったことや販売・管理費の増加もあって、営業利益が129億8,500万円の赤字(前年同期1億6,200万円の黒字)となり、赤字計上は1996年2月27日の株式公開以来はじめてのこと。しかし、営業外で有価証券売却益を239億円計上するなど、経常利益では74億1,200万円と前年同期比33.5%増。

 2000年8月期通期での業績に関しては、移動体通信事業において新規加入台数の増加ペースが鈍化していることや市場の噂による店舗への影響、販路拡大路線の見直し、CSデジタル放送事業での商品の品薄などを理由に、当初の予想から大幅に下方修正している。特に、営業利益は前年比45.2%の大幅増益予想(3月30日予想)が、一転して大幅赤字の予想になっている。

 通期での予想は、売上高が3,300億円(前年比27.3%増、前回予想3,800億円)、営業利益が116億の赤字(前年55億800万円の黒字、前回予想80億円の黒字)。しかし、株価急落などを受けて手元流動性を厚めに確保することを目的に、下期に入った3月から4月にかけて保有有価証券を売却し、売却益約239億円を計上。内訳は、QUALCOMMで約175億円、CISCO SYSTEMSで約40億円、エムティーアイで約12億円となっている。この売却益など営業外収益200億円を見込むため、通期の経常利益は280億円の黒字(前年比35.4%増、前回予測270億円)を予想している。純利益も135億円(前年比36.6%増、前回予想135億円)と利益が出るため1株あたり年間配当も40円(前年100円)を予定している。

 また、中間期以降の借り入れとして、有限会社光パワー(光通信株の45.82%保有し筆頭株主、重田社長の持ち分と合わせて60%保有)から4月21日付けで250億円借り入れている。その一方で日本興業銀行とのコミットメントライン契約を終了して借り入れていた245億円を期限前に返済し、住友銀行からのシンジケートローン240億円も期限前に全額返済した。

 重田社長は「あまりにも成長を急ぎすぎた結果、社内の管理やチェック、評価が不足しやるべきことが強化できなかった」とこの2ヶ月間を振り返り、業績の大幅下方修正については「移動体市場や各社のシェアなどの動向を完全に見誤ったと同時に、販売店としては競争も激しく成熟した市場になっていたことを認識できなかった」と述べた。

 確かに、端末ではiモードが爆発的な伸びを見せているが、同社ではiモードを扱ってなく、扱いたくともNTTドコモとの関係に変化は何もなく、今後扱っていく目途もない。

 また、同社長はソフトバンクの社外取締役の件については「現状を考えれば光通信の経営に100%集中したい」とし、社外取締役を辞任することも有り得るとした。

 今後の政策としては、HITSHOP全店を黒字化するために、不採算店の統廃合を進め、現在の1,445店ある店舗数を本年8月末には900店舗にする計画(前回の計画では3,000店舗)。

 また、高水準の販売目標を達成できない代理店がしていたいわゆる「寝かせ」(ユーザーが契約してから調整金徴収期間が終わるまでまったく使用しないことで、代理店が手数料稼ぎを目的にユーザーに対して名義を借りたり使わないことを前提に契約を取る受注のこと)などの不正行為も、審査部を設置するなどチェック体制や牽制体制を強化したとしている。

 そのほか、今後一段とディスクローズを強化し、経営体制も純粋持株会社も視野に入れて考えていくという。これら一連の動きを、8月をめどとしてすべて解決させていくことを強調した。

 中長期的な戦略としては、B2Bモバイルインターネットの強化やインキュベーションインフラの活用などとしていたが、具体的なものは示されなかった。現状の改善が何をもってしても先行するといったところか。

 株価について市場では、底打ち感を指摘する向きもあるようだが、今回の発表で不透明感が払拭されたとは言い難い。今回示された経営姿勢や改善策などが8月までに本当に進展するかどうかにかかってこよう。それが、今後見えてこなければ、リスクは引き続き高いといわざるを得ない。

(2000/4/24)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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