■URL
http://www.jvcmusic.co.jp/download/press.html
http://www.arcstarmusic.com/
レコード会社のビクターエンタテインメント株式会社は、5月1日から音楽配信実験を開始することを明らかにした。配信実験には、NTTコミュニケーションズ(NTTCom)による音楽配信プラットフォーム「ArcstarMUSIC」を利用する。さらに7月からは、専用サイトを構築し有料の配信を開始する予定だ。現在、ビクターは、ArcstarMUSICの参加レコード会社としてリストに名を連ねている。
ビクターでは、インターネットでの音楽配信に関して、「基本はパッケージビジネスであり配信はあくまで業界規模が拡大する為の一つの技術・手段であるという認識」としている。今回の実験では、ArcstarMUSICのプラットフォームを利用し、音質のチェックや利便性、配信によるプロモーション効果を検証する。さらに7月から開始する有料の音楽配信では、松下電器、UMG、BMG、AT&Tが共同で開発を進めている「EMDLB方式」プラットフォームを利用する。こちらでは、パッケージとの相乗効果やマーケティング手法、課金決済手法等を検証し、その上で「有料配信ビジネスそのものの見極めも含めて検証する」としている。なお、配信される楽曲、価格等は現在未定で、6月に詳細が発表される予定。関係者によると、ソニーミュージック(SME)の「bitmusic」、エイベックスの「@MUSIC」など他のメジャーレコード会社系有料配信サービスと同様の価格帯(1曲350円前後)になる可能性が高いという。
SME、エイベックスと、メジャーなレコード会社が相次いで音楽配信サービスを開始している。また、ソニーコミュニケーションネットワークが設立した音楽配信プラットフォーム提供会社「レーベルゲート」や、前述のArcstarMUSICには、多くのレコード会社が参加しており、国内の主要レコード会社が音楽配信への参入を明らかにする形となったが、そのどちらにも参加しなかった大手レコード会社が、東芝EMIと今回のビクターエンタテインメントであった。
東芝EMIでは、2月にプロモーション目的で行なった無料配信において、2週間で約25,000ダウンロードを記録したが、有料配信についてはまだ方針を固めていない。一方のビクターも、今回、有料の配信を計画しながらも「検証」を目的としている。現状の有料音楽配信ビジネスは、この2社にとってまだ「様子見の段階」にあると取れる。ただ、両社ともそれぞれ「携帯音楽プレーヤー」や「メモリーカードの規格」などを開発する大手家電メーカーの系列会社であり、その辺りの関係が今後どう作用するか注目される。
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(2000/4/26)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]