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【電子決済】

住友銀行ら、専用ソフトが不要なネット決済方式を発表

 住友銀行、三和銀行、さくら銀行の3行は、インターネットショッピング向けの決済方式を共同開発し、6月よりサービスを開始することで基本合意したと発表した。

 この決済は、インターネット上のショップと金融機関の間に「決済センター」を設置することで、ショップに決済情報を流さずに銀行口座などから支払いができるという方式。決済情報は金融機関のみに流し、商取引の注文情報は加盟店のみに流すことで、安全な三者間取引が実現できるというものだ。今までにも同じような仕組みで安全な三者間取引を提供する方式としてはSETなどがあるが、それらはユーザーが専用のソフトをインストールする必要があった。それに比べ今回の方式では、SSL対応のブラウザーがあればよく、ダウンロードや専用ソフトは必要ない。買い物をするにはあらかじめ登録が必要で、登録時に得たIDとパスワードを利用する。ユーザー登録にあたっての料金についてはまだ未定だが、無料にすることを考えているという。一方、ショップがシステムを導入する場合は、モジュールを追加すれば対応できる。ショップからは、売り上げに応じて手数料を徴収する。

 安全な三者間取引という点では、すでにSET方式が実現しているが、SETは電子認証書の取得や専用ソフトのインストールなど、少々手続きが複雑であることが問題視されてきた。また、現在主流のクレジットカード決済では、加盟店側にクレジットカード番号を知らせる必要があることから、セキュリティの心配は否めない。今回の新決済が実現すれば、比較的手軽で、安全な決済が行なえるほか、まだネットでは少ない銀行決済が可能になる。

 なお、銀行口座決済のほかクレジット決済も予定しており、住友クレジットサービスが参加を予定している。このほかの都市銀行や地方銀行などの金融機関にも呼びかけて行くほか、インターネット専業銀行として設立準備中のジャパンネット(仮称)も採用を検討中だ。この決済方式を検討している企業としては、イー・ウイング証券株式会社、エイチ・アイ・エス、コクヨ、セシール、ソフマップ、リクルート、ヨドバシカメラ、ローソンチケットなど13社の名前があがっている。将来的には、携帯電話や情報家電端末などでも利用できるようにするとのことだ。

(2000/5/8)

[Reported by junko@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp