通信販売業界3位のニッセンは、今月末を目途にインターネットを使ったさまざまなサービスを提供する新会社「ネットピア」を設立する予定としている。
新会社の資本金は5,000万円で、60%をニッセンが出資し、ITソリューションのアクセルリンケージラボが20%、ベンチャーキャピタルのキャピタルパートナーズが10%、沓澤哲太郎氏(アルパイン勤務などのあと昨年まで靴修理や合鍵複製を行なうミニットジャパン代表取締役)が10%出資する。
ニッセンは、通信販売の顧客情報などを活用して、インターネットを使った販売をすでに展開している。同社のインターネットでの受注額は、本年1月が6,400万円(前年同月対比298%)、2月が2億1,000万円(同615%)、3月が2億2,100万円、4月が3億9,000万円と急拡大している。
一方、同社の会員数は全国に1,500万人いるが、そのうち女性会員が1,300万人と全体の87%も占めており、女性会員の数は一段と伸びているという。
このような現状を踏まえ、インターネットを使った事業展開を本格化させるために新会社を設立することになった。
具体的な事業展開の方針は、今月末の取締役会で正式に決定されるので、詳細は今後詰めていくが「インターネット接続端末(パソコン)の提供から接続サービス、ポータル、コンテンツまですべて提供していきたい。今年は実験的にサービスを提供し、本格的には来年からスターとさせる」(ニッセンインターネット事業推進部)としている。
新会社では、まず今秋から接続サービス(ISP)事業を開始させる予定。接続サービスと接続端末の提供は無料で行なう方式で、それを使うことによって得られる情報やサービスに対して課金するモデルを構築していく。
さまざまなサービスを考えているものの、なかでも現在考えられている具体的なサービスのひとつとして「パーソナルエージェント」がある。例えば仮に「法律について詳しい人を紹介して欲しい」と、ユーザーがネットピアにインターネットを通じて伝えると、その内容によってネットピアが適切な人物を紹介する、といったもの。ユーザーの要望に対し適切に応えていくといったサービスだ。
ニッセンの顧客データベースやマーケティング、個別配送機能、全国10箇所のコールセンターなども活用するが、新会社自身での物販は行なわない予定。ニッセンの現況を考えると、当初は女性をターゲットとした情報、サービスの提供となろうが、特に女性限定とするわけではなく、高齢者なども含め「情報弱者」と呼ばれる人たちをターゲットとしていくという。
なお、ニッセンでは今回の新会社に対し、自社の配送機能やコールセンターなどを提供するが、今後は他社に対してもこのインフラをサービスとして提供していく考えだという。
(2000/5/15)
[Reported by betsui@impress.co.jp]