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日商エレクトロニクスは17日、IPベースの通信会社「フュージョン・コミュニケーションズ株式会社(FCC)」を設立したと発表した。専用のIPネットワークを通じて電話、VPNによるデータ通信、インターネット接続などの通信サービスを2001年春より全国で提供する。新会社の資本金は1億円。当初は日商エレクトロニクスが100%出資するが、5月中にも古河電気工業とNTTグループの企業1社が参加し、4億円に増資する。代表取締役社長には、日本高速通信の専務取締役、クロスウェイブ・コミュニケーションズの取締役副社長などを務めた角田忠久氏(写真)が就任した。
FCCでは、全国の県庁所在地をカバーする独自のIPバックボーンを構築、NTT地域会社の交換局と都道府県単位で接続する。加入者は、交換局までをNTTの電話回線やデジタルアクセス回線、交換局から先をFCCの専用IP網を利用して通信することになる。さらに各県庁所在地には加入者系無線アクセスシステムによる自前のアクセス回線も構築し、企業などが専用IP網に直接接続できる環境も整える。専用IP網からは、国際網や一般のインターネットにも接続し、国際電話やインターネット接続もFCCを通じて行なえるようにする。従来は別々のネットワークを通じて提供されていた電話、データ、インターネットといった通信サービスのインフラをIPネットワークに統合することで、サービスの低価格化と複合サービスの提供を実現する。
なお、FCCが提供する電話サービスは、VoIP技術を利用しているものの、いわゆる従来の“インターネット電話”とは異なり、一般の電話機から利用できる。交換局間の長距離部分のみをIP網経由にしたもので、ユーザーは、他の長距離電話会社のサービスと同様に電話番号の最初に識別番号を付けることでFCCを利用できる。インターネット電話に比べ、接続までの手間が大幅に軽減されたほか、通話品質も一般電話と同等レベルになっているという。料金についても「インターネットの料金体系と同様に遠近格差がない世界を実現したい」(角田社長)とし、現在、3分80円程度となっている東京・大阪間の通話料金を半額程度で提供する考えだ。
(2000/5/17)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]