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三重県がインターネット事業に参入、株式公開も目指す

■URL
http://www.pref.mie.jp/
http://www.pref.mie.jp/yosan/plan/yosanh12/point/p09.htm

北川知事
 三重県は22日、サイバーウェイブジャパン(CWJ)を第3セクター形式で6月末に設立する予定と発表した。三重県では、複数の大容量超高速海底ケーブルが県南部の志摩地域に陸揚げされることを契機に、情報化による街づくりなどを目指した「志摩サイバーベースプロジェクト」を進めており、このプロジェクトの推進役としてCWJが設立される。

 挨拶した北川正恭県知事は「三重県は情報先進県を標榜し、職員1人1台パソコンの導入やペーパレス化を現在進めるなどIT化を推進している」と述べ、今回のプロジェクトについては「情報通信環境を充実させることで在宅勤務を含めた新たな就労形態の形成し、高齢者や障害者に対しての雇用機会の拡大につなげたい」と語った。

 CWJの資本金は1億1,000万円で、三重県が5,000万円(出資比率46%)、オールウェイズ、近畿日本鉄道、KDD、サイネックス、中部テレコミュニケーション、未来精工が各社1,000万円(同9%)ずつ出資する。会社設立後は1億5,000万円~2億円程度に増資する予定。

 代表取締役社長には北川知事が就任する予定だが、実質的な経営幹部や従業員は公募する。当面の運営はインターネット企画・製作・コンサルティング会社オールウェイズ代表取締役の水居徹氏が社長を代行。

 CWJの事業は、ホスティング・サ―ビス、ハウジングサービス(顧客のサーバーを預かるコロケーションサービス)、インターネット専用線接続サービス、志摩サイバースペース内インターネットサービス、デジタルコンテンツサービスの5つを柱に展開する。

 特に、デジタルコンテンツサービスでは、観光ビデオなどのDVD企画制作や、行政情報を電子化していくデータ入力作業、変換作業などにおいて地元雇用を行い、障害者や高齢者も積極的に参画できるように在宅勤務などの仕組みをつくる。

 また、これらCWJの拠点は新たに施設を建設するわけではなく、景気低迷後に休眠化している阿児町賢島の保養所群にある空き施設を改装して利用する。データセンターの施設をサーバーセンター(事業棟)とし、それに隣接した施設をサイバーベースセンター(事務所棟)として、地元住民の作業場やトレーニングルームなどとして活用する。

 地方自治体が関与した第3セクター形式の事業は、これまで天下りや補助金をあてにしての放漫経営になるケースが多かったが「天下りや補助金体質を排除し、利潤を追求できる経営体質にするため外部アドバイザリーボードによるチェック体制を敷いた。将来は株式の公開も視野に入れている」(北川知事)としている。

 アドバイザリーボードには、インターネット戦略研究所の高橋会長、米Microsoftの古川副社長をはじめ6人がメンバーで、ビジネスのチェックや助言を行なう。なかでも、障害を持つ人(チャレンジド)の自立と社会参画を目標に活動している社会福祉法人プロップ・ステーションの竹中理事長は、障害者の就労の面でもアドバイスを行なう。

 CWJは6月末の会社設立とともにWebサイトをオープンし、8月に営業開始、9月には本格的なサービスの提供を開始する予定。売上高は初年度5,000万円、3期目4億円、5期目7億円を見込み、3期目の単年度黒字化を目指す。また、2年から3年後には株式の公開も想定している。

回線イメージ 事業計画 知事を中央に
左がアドバイザリーボード
右が出資会社

(2000/5/22)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp