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【サービス】

SIがKDDと提携し、解説付き特許情報の閲覧検索サービス「パテンシャル」を開始

■URL
http://www.patential.co.jp/ (準備中)
http://www.jpo-miti.go.jp/indexj.htm (特許庁)
http://www.kdd.co.jp/ (KDD)
http://www.kcom.ne.jp/ (KCOM)

S.I. 多喜社長(左)、 KDD 池田執行役員(中)、 KDDコミュニケーションズ 阿久津代表取締役専務(右)
 新事業・商品の企画提案や特許戦略の構築などを手掛けるシステムインテグレーション(SI)は23日、KDD、KDDコミュニケーションズ(KCOM)と提携しインターネットを使って特許情報を配信するサービス「パテンシャル」を開始すると発表した。

 パテンシャルとは、パテント(特許)とポテンシャル(潜在能力)の造語で、特許の潜在能力を引き出す情報のこと。その情報群を活用することで、利用者がさまざまな新商品や新ビジネスを生み出していくことが期待できるとしている。ここでいう特許には、技術特許以外にビジネスモデル特許も含む。

 日本の特許は現在およそ90万件登録されているが、そのうち60万件は有効に利用されていないという。ほとんどの特許を保有しているのは大企業で、特許内容は特定企業向けに限定された難解で複雑な記述。一般の向きがこれを見ても理解や活用するのは困難な状況になっている。

 この難解な表記を、パテンシャルライターと呼ぶ特許の目利きのできる担当にわかりやすい一般的な言葉で表記し直してもらい、これを中小企業や個人(SOHO)へ提供し新しいアイデアや商品、ビジネスの発見などに役立ててもらうというわけだ。パテンシャルライターは現在数十人いて、単にわかりやすく表記しなおすだけでなく、特許の評価(レーティング)や利用アイデア例などの付加価値的な表現もつける。

 多喜義彦 SI社長は「これまで3,000件以上の技術移転やそれに伴なう新事業・商品の開発実績があるほか、特許庁発行の特許活用事例集の作成に2年間携わった経験もある」と述べ、大企業の特許を中小企業や個人に流通化させていきたいとした。

 サービスは、6月中旬からトライアルのかたちでまずスタートさせる。当初、閲覧・検索できる特許情報は2万件。夏ごろには、評価などの付加価値サービスも開始し、本年末か来年年初には本格的にサービスを開始する運び。将来的にはすべての特許情報を提供するかまえで、パテンシャルライターも200~300人の規模を予定している。

 特許情報の閲覧・検索は有料だが、極めて低い料金体系を考えているという。そのために料金の決済は、KCOMが提供する少額決済サービス「ミリセント」を利用する。ミリセントは、0.1円単位から1円、10円といった少額単位でデジタルコンテンツが購入できる決済技術で、昨年6月から利用したサービスが開始されている。

 一方、KDDはこのサービスに対し、ネットワーク、データセンター、コールセンターなどインフラ面で協力する。池田佳和 KDD執行役員マルチメディアビジネス推進部長は「4月1日から吉本興業との合弁会社ファンダンゴがエンターテイメントサービスを開始し、今回パテンシャルがスタートする。このようにKDDはコンテンツサービスに注力してきており、今後も教育、音楽などのコンテンツサービスを計画している」と述べた。

(2000/5/23)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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