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【ソフト】

Webサイトのアクセス追跡を防ぐ「IDcide Privacy Companion」

■URL
http://www.idcide.com/

IDcideをインストールした状態。赤線内がcookieの状況を示すアイコンだ
 インターネットでの個人プライバシー保護の動きが高まるなか、ユニークなソフトが登場した。米国IDcide社によるWebブラウザーアドインソフトの「IDcide Privacy Companion」(以下IDcide)だ。Webサイトにアクセスする際、ユーザー情報収集に使われるcookieの使用状況や、広告に組み込まれて複数のWebサイトでユーザーを追跡するトラッキング型のcookieの有無を検知して必要に応じてブロックする機能を持つ。

 IDcideをインストールすると、ブラウザーのメニューバーに小さなアイコンがいくつか現れる。このアイコンの状態で、現在アクセス中のWebサイトにcookieが使われているか、またトラッキングされているかが分かる仕組みだ。cookieの内容は「IDcide Privacy Explorer」に記録され、例えばDoubleclick社のcookieがどのサイトで使われているかも判るようになっている。

 これらのcookieに対して、どの程度受け入れ、または拒否するかは「Privacy Mode」の設定で決定する。初期設定では「Medium Privacy」で、サイトごとのcookieは受け入れるが、トラッキングタイプはブロックする状態だ。ブロックしている時はアイコンに×マークが付き、IDcideが機能中とわかる。また全く保護しない「No Privacy」モードのままネットサーフィンを続けると、時折「これまでにX個の拒否可能なcookieを発見した。このまま続けるか?」というアラートが表示され、注意を促してくれる。すべてのcookieをブロックする「High Privacy」モードも使えるが、「My Yahoo!」などcookieの情報で表示コンテンツを変えるサービスが使えなくなる場合もある。

 IDcideを使ってみると、日本のサイトではそれほど頻繁ではないが、米国のサイトでは半数以上でアイコン状態が変わりcookieの多さを実感した。「IDcide Privacy Explorer」で内訳を見ると、いかにも広告代理店的なドットコム企業のcookieがずらりと並んでいる……。プライバシー保護の目的で使うものだが、現在のWWWの一面も見せてくれる、興味深いソフトと言える。

 「IDcide Privacy Companion」は現在Windows版のみで、Internet Explorer4以上に対応している(ただし5.5には未対応)。Netscape Navigatorにはα版を提供中だ。ダウンロードする際のファイルサイズは約1,350KByteとなっている。

左がサイトのcookie、中がトラッキング型cookie、右が保護レベルを示す。「No Privacy」でcookie使用だとこの状態に
サイトのcookieは動作しているが、トラッキングはIDcideで無効の状態。保護レベルは「Medium Privacy」
保護レベルを「High Privacy」にすると、cookieは全く動作しなくなる
「IDcide Privacy Explorer」で、どのサイトが何のcookieを使っているか一目瞭然

(2000/6/6)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp / ちびあゆ]


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