■URL
http://interop.sbforums.co.jp/
5日から先行してコンファレンスが行なわれているが、いよいよ7日から展示会も始まった。初日の来場者数は,39,901名(99年:36,196名)と昨年に比べて増えており、出展社数も365社と過去最大の出展規模となっている。ホール数も昨年より拡大しており、2日めの来場者数も44,668名と好調だ。会場も熱気にあふれており、いくつかのブースで配られているうちわで仰ぐ人も多数見かけた。
2日目の今日は、展示会場内のレポートをお伝えする。
クニリサーチのブースでは、電子メールソフトEudoraの新バージョンのデモが行なわれている。新バージョンの大きな特徴は、広告を表示するかわりに無料で利用できる「スポンサーモード」、機能を制限するかわりに広告もなく無料で利用できる「ライトモード」、従来どおりの有料版「ペイモード」の3つのモードを持つことだ。
「スポンサーモード」では、最新版のEudoraとまったく同等の機能を持つかわりに、ウインドウの左下(Windows版の場合)もしくは画面の縁(Macintosh版の場合)に広告がつく。広告はメールの受信中にバックグラウンドで送られてくるため、広告のダウンロードのために勝手に接続することはない。また、しばらく受信しなかった場合でも、最初のダウンロード時に20数パターンの広告をまとめてダウンロードするため、いつまでも同じ広告が表示されることはないという。なお、「ライトモード」の機能制限事項については、現在検討中とのことだ。
残念ながら会場で展示されているのは英語版だが、8月ごろをめどに日本語版をリリースする予定。
個人を認証するための手段として、通常一般的に利用されているIDやパスワードをはじめとして、より認証精度を高めるために指紋や声紋、アイメトリックス、またそれらを組み合わせたものなどさまざまな認証方法が生み出されている。会場でも、いくつかおもしろい個人認証システムが展示されていた。
ネットマークスのブースでは、PKIとバイオメトリクスの認証を組み合わせたシステムが展示されている。アイメトリックスや指紋、顔、音声、サインなど、他人に貸すことが不可能なバイオメトリクスのデータを、PKIによって暗号化して送るため、インターネットでも安全でより確実な認証が行なえるというものだ。
「顔」で認証
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このほかにも、個人の「顔」で認証できるシステムが単体で展示されている。あらかじめビデオで個人の顔を数秒間撮影して表情などを複数パターン取り込んでおき、その情報をもとに認証する。動作を止めることなく、笑ったり頷いたりと動いた状態で複数人(登録されている人のみ)をそれぞれを認識できる。試しに4パターンを撮影してもらったところでは、たまに認識しなかったり別の人と誤ったりと頼りないが、どこかの映画で見たことのあるような近未来的な感じが面白い。ちなみに試したのは認証が甘い状態で、もっと厳しくすることもできるとのことだった。
手書きのサインデータ
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日本サイバーサインのブースでは、手書きのサインをもとにした本人認証が体験できる。サインの際に書くスピードや書き順、筆圧など、個人特有の情報をグラフ化し、あらかじめサーバーに登録した情報をもとに照合し、認証するしくみ。イラストや記号なども署名することができる。万が一登録データが盗まれたとしても、現実として100%一致するサインはありえないため、データが盗まれたものと判断され、認証されないようになっている。
入力方法としては、タブレットのほかにザウルスなどのPDAやモバイル端末などにも対応しており、研究所などの入退室や医療分野でのカルテシステムのID管理などに利用されているという。料金は100ユーザーまでで5万円/月~。
FIU-700
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ソニーのブースでは、指紋を使った個人認証システムが参考出品されている。指紋照合機能付きのトークン「FIU-700」は35gと軽量、9mmの薄いカードタイプで、PKIに対応している。デザインのよさはさすがソニーだ。秋をめどに販売を開始する予定という。
すでに「FIU-700」は東芝にOEMしており、東芝のセキュリティシステム「SecurityPack'98」のオプションとして販売されている。
マルチメディア端末: 手前からカードを挿入し、タッチパネルで操作する。
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NTTデータのブースでは、最新IT技術の展示やセキュリティや情報流通に関するセミナーなどが開催されている。中でも興味深かったの
は、1枚のカードにJavaアプレットを追加することにより、学生証やデビットカード、ポイントカード、会員カード、デジタルチケットなど複数の機能が利用できる「JavaApplet配信管理システム」だ。それぞれの機能はパソコンやマルチメディア端末を通じてアプレットのダウンロードする。会場にはパソコンとマルチメディア端末が展示されており、実際にダウンロードする場面を見ることができる。
また、7日に発表されたばかりの企業内向けポータルシステム「EUREKA:Portal」のデモも行なわれている。クライアント側に特別なアプリケーションは必要なく、WWWブラウザーを通じて売り上げレポートや部内のスケジュールといった社内の情報や、ニュースサイト、検索サイトなどの社内外の情報をパーソナライズできる。企業内に専用のサーバーを設置し、そのサーバーを通じてポータルページを読みだすしくみ。価格は500ユーザで400万円~。
・http://www.nttdata.co.jp/n+i2000/index_j.html
ブースの風景
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オンライン求職サイト「ダイジョブ・ドットコム」のブースでは、ちょっと変わったイベントを開催中だ。植木等の歌とCMが流れるブース内には、社長室をイメージしたソファが用意されており、なにやらあやしげな雰囲気だ。
じつは外資系企業の日本法人社長職やベンチャー企業の管理職の希望者を公募する「あなたもなれるCEO」イベントが行なわれており、管理職を希望する人はそのソファに座ってゆったりした気分で応募できるというもの。
「秘書」と記念撮影 |
試しにソファに座ってみると、フカフカのいい座り心地。会場を歩き回って疲れた身体には、ほっとさせられるひとときだ。とはいえ、その椅子に座ったからには応募しなければならない。テーブルに置かれているノートパソコンに向かって、名前や職業、現在の職種などを入力する。住所や年収など細かい情報は問われない。入力が完了すると秘書に扮するキャンペンガールとポラロイドカメラで記念撮影ができる。最後に、「DaiJob CEO membership」と書かれた名刺に自筆でサインをすると、その名刺に先ほどの写真を貼ったものがもらえる。2日間で30数名の応募があったという。
ちなみに、現在求められている管理者レベルの求人待遇例としては、年俸2,000万円以上、ストックオプション、売り上げによる特別ボーナス。ただし、相応の激務をこなす覚悟が必要だ。求められる資質としては、急激に変化する市場においての素早い事業判断、リーダーシップ力、英語力、時差があってもきちんと本社とのコミュニケーションがとれる体力を持った人。現在、ダイジョブ・ドットコムのCEOも募集中なんだとか。我こそは! という人は応募してみてはいかがだろう。
・http://www.daijob.com/(ダイジョブ・ドットコム)
・http://www.daijobceo.com/(DaiJob CEO)
大和証券と日興ビーンズ証券
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このところ、幕張メッセなどで展示会やイベントが行なわれるときには、ほぼ必ずといっていいほどオンライン証券会社が出展するようになった。今回も3社のオンライン証券会社が出展している。
「e-Solution Zone」では、大和証券(ダイワダイレクト)と日興ビーンズ証券が出展しており、場所が隣り合わせ。セミナーを実施していたこともあって、スペース的には大和のほうがビーンズの2倍ほど大きかった。大和のセミナーは、オンライントレードや株式取引についてクイズ形式で進行。
DLJdirect SFG証券
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一方、同じ「e-Solution Zone」ではあるものの、同Zone内に設置された特定の技術にフォーカスしてデモを行なうコーナー「TechSpots@Interop ~i-Mobile Solution~ 」に、DLJdirect SFG証券が出展していた。非常に小さいスペースにパンフレットが置かれているだけで、関係者を探したが見つけることはできなかった。
・http://www.daiwa.co.jp/HomeTrade/
(ダイワダイレクト)
・http://www.nikkobeans.co.jp/ (日興ビーンズ証券)
・http://www.dljdirect-sfg.co.jp/
(DLJdirect SFG証券)
(2000/6/8)
[Reported by junko@impress.co.jp / betsui@impress.co.jp]