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【業界動向 / プロバイダー】

コンテンツやコミュニティとの組み合わせで道を模索

ニフティの渡辺社長、「定額2,000円コースは価格競争ではない」

ニフティ社長 渡辺氏

 プロバイダー/ネットワークサービスの@niftyは、7月13日に、従来の「30時間コース」「150時間コース」「無制限コース」を一本化し月額2,000円定額の料金コースを9月1日より導入することを発表した。また、基本料金が月額250円の「お手軽1コース」や、月額1,200円で6時~21時まで使い放題の「デイタイムコース」も発表、18日にはDDIと提携した電話料金込みの「テレコミ3コース」「テレコミ10コース」を発表した。

 こうした@niftyの新料金体系について25日に記者会見が開催され、ニフティ株式会社社長の渡辺武経氏が説明した。


 渡辺氏はまず「プライスリーダーを目指すつもりはない」と、必ずしも価格競争でないことを強調。一方で、「月額2,000円はメーカー系では画期的な価格」とも語るなど、複雑なところを見せた。実際、新聞広告やTV-CMなどでは@niftyの料金を並べてみせてもいる。なお、同25日には、三洋電機のSANNETが月額1,800円定額のコースを、やはり9月1日より開始すると発表している。

 また、「定額制は、次世代のブロードバンド時代までには、いつか通る道」として、アクセス料金以外の収入も重視していくと説明。Web上のコンテンツサービスやパソコン通信以来のコミュニティを、接続サービスとともに推進していくと語った。なお、アクセス料金以外の収入では、会社情報や競馬情報などのデータベースサービスが大きく、ほか広告やトランザクション収入、ローミングの収入などがある。渡辺氏によると、「@niftyの会員は、@niftyのサービスやショッピングの利用率も高く、広告クリック率も高い」という。


 インターネット接続サービスは、キャリア系などが低価格競争をする一方、無料プロバイダーも出てきており、ユーザーが重視する価格面では競争が厳しくなってきている。一方でコンテンツやコミュニティにおいては、ポータルサイトやWeb掲示板などインターネット上の会員制無料サービスが人気を博してきている。これについて渡辺氏は、前者についてはコンテンツやコミュニティへの設備投資を、後者については接続サービスとの連携を自社の優位として説明した。

 いずれにせよ今後、接続サービスやポータルサイトが価格やサービスモデルなどを変更していく中、@niftyのようなメーカー系などの既存プロバイダーは難しい戦いを強いられることになりそうだ。


(2000/7/25)

[Reported by masaka@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp