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【新製品】

FICと矢野経済研究所、ネット専用端末の販売で提携
ホテル/マンション利用者向けの地域広告配信事業も展開

■URL
http://www.cto.co.jp/ (エフ・アイ・シ-販売)
http://www.yano.co.jp/ (矢野経済研究所)

 エフ・アイ・シ-販売(FIC)と矢野経済研究所(YRI)は25日、インターネット専用端末の販売事業において業務提携すると発表した。台湾のPCメーカーであるFirst International Computer社の開発した非PCネット端末「SMART BLUE」を国内のマンションやホテル向けに販売するほか、同端末向けの広告配信事業も展開する。

 SmartBlue SMART BLUEは、高さ234mm×幅38mm×奥行き225mmの縦置きタイプの端末で、56kbpsモデム、LANポート、USB端子などを装備。ハードディスクはなく、16MBのフラッシュメモリーを搭載している。OSにBeIA、ブラウザーにはOperaを採用し、HTML4.0、PersonalJava 3.0.1のほか、RealPlayer G2、Macromedia Flash、MP3などのマルチメディアフォーマットにも対応している。価格は15インチCRT、キーボード、マウスとセットで1台6万9,800円。

 SMART BLUEでは、すべての端末にIDが割り振られており、使用場所に対応した広告を画面に固定できるのが特徴だ。ターゲットユーザーを確定できるため、例えばホテルに設置した場合は宿泊客向けに付近の飲食店の情報、マンションの場合は新聞の折り込み広告のような地域広告を表示することが可能になる。出稿料金としては月額数千円から2万円を予定しており、広告収入の一部は端末を設置しているホテルやマンションに還元する仕組みだ。導入したホテルやマンションでは、この収益により通信コストを削減できたり、マンションの場合は管理費などに割り当てることができる。また、宿泊客や入居者にネットサービスを提供することで満足度を上げ、稼働率や入居率をアップできるといったメリットも生まれる。すでにYRIでは、ホテル宿泊客やマンション入居者に対するネット利用のアンケート調査を実施しており、宿泊先でのレストラン情報やマンション周辺の商店の情報を求める声が多かったとしている。

 従来、セットトップボックスやゲーム機などの非PCネット端末はビジネス的に成功を収めているとは言い難く、「現われては消え、消えては現われる」状況だった。その要因としてYRIでは、1)ゲーム機との複合機として登場するなど販売戦略が曖昧なこと、2)通信料金が高すぎたなど投入時期が早すぎたこと、3)ネット端末と言えばPCという認識が強かったこと、4)価格だけがセールスポイントでユーザーニーズを満たす具体的提案が貧弱だったこと──などを挙げている。一方、ここに来て料金の改訂などで通信環境の改善が図られつつあるほか、ネット接続可能な携帯電話が急増するなど、非PCネット端末の「潜在的なユーザー層を取り込む時期が来た」と判断。共同で同市場に参入することにした。1年間で1万台の販売を目指すほか、マンションへの販売が好調であれば、コンシューマー向け販売も検討する方針だ。

(2000/7/25)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp