曲の頭出しや巻き戻し、一時停止などの ボタンが付いた専用マイクが付属する。 ボーカルにはエコーがかけられ、キーの 変更も可能だ |
振り付けを再現するCGキャラクターは、 人だけでなく、トミーが企画・制作した 動物キャラクターも採用していく予定 |
楽曲ソフトは、本体発売と同時に「ダンスカラオケシリーズ(仮)」20タイトルを用意し、毎月2~3タイトルずつ追加していく。SPEEDやモーニング娘。、安室奈美恵のほか、ピンクレディーなど主婦向けのラインナップもそろえていく。各ソフトは2曲入りで680円。1タイトルあたりの曲数を減らすことで、小中学生でも購入しやすい価格設定にしたという。
ダンスカラオケシリーズのソフト制作には、東映ビデオが協力する。同社が業務用通信カラオケ「スーパー・ビーマックス」用に提供している、振り付け機能付きカラオケ“フリカラ”の技術を活用する。フリカラでは、モーションキャプチャーによりダンサーの動きをデータ化、3DポリゴンによるCGキャラクターが曲に合わせて振り付けを再現するようになっている。リアルタイムにレンダリングされるため、ユーザーがキャラクターのアングルを変えることも可能だ。
一方、KISS SITEは基本的にビデオCDプレーヤーで、CGのレンダリング機能は搭載していない。振り付けデータは、あらかじめMPEG準拠の動画データに加工されてCD-ROMに収録する形となる。これによりアングル切替の機能は省かれるが、業務用と同等のクオリティのCGや実写映像も提供できるとしている。
トミーが実施した調査によると、学校の規則などで禁止されているため、カラオケボックスに行ったことがないとした小中学生が多かったにもかかわらず、家庭用カラオケが欲しいという人は半数にも達したという。一方、東映ビデオによると、10代のカラオケ利用率が他世代に比べ高いにも関わらず、実際の利用は高校生以上に限られており、小中学生は取り残されていると指摘。従来、業務用カラオケではアプローチできなかった世代に市場を拡大できるとして、今回の協力に至った。トミーでは、今年のクリスマス商戦を皮切りに、初年度で本体20万台、別売ソフト60万枚を販売する考えだ。
さらにトミーでは、カラオケソフトだけでなく、KISS SITEをプラットフォームとしたエデュテイメント(教育)やホビーコンテンツなども展開する。また、詳細は未定だが、コンテンツのオンライン流通も検討しており、通信機能などを備えたKISS SITEの新モデルを2001年末にも投入したいとしている。
なお、オンライン流通となると、コンテンツの容量が問題となる。今回採用されている動画形式のデータでは容量が大きいため、現在の家庭における通信環境では利用が非現実的だ。一方、本来の業務用フリカラで配信されているデータは、曲のMIDIデータと振り付けのモーションキャプチャーデータ。家庭の通信環境でも利用できる程度の容量で済み、これを再生する端末側のスペックもそれほど高いものは要求されないという。家庭向けのオンライン配信も技術的に見ればすぐにでも実現できる段階にあるとしており、東映ビデオでは、権利問題がクリアされ、配信のアーキテクチャーが固まるようであれば、家庭向け配信にも即座に参入する姿勢だ。
(2000/8/8)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]