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【集中企画】

インスタントラーメンの熱き世界

 1958(昭和33)年の8月25日、世界初となるインスタントラーメン「チキンラーメン」が日清食品から発売された。今回はこの記念すべき日にちなんで、インスタントラーメンに関するウェブサイトをピックアップした。

●インスタントラーメンの基礎知識

 チキンラーメンを開発したのは、今の日清食品の会長・安藤百福氏。大阪府池田市の自宅裏庭にあった小屋で生み出されたという。日清食品では、毎年8月25日を「ラーメン記念日」と制定。さらに昨年11月には、発祥の地である池田市に「インスタントラーメン発明記念館」をオープンしている。同記念館のウェブサイトには誕生秘話を紹介するFlashムービーも用意されており、安藤氏のインスタントラーメン開発にかけた情熱と研究の苦労を伝えている。

 そして誕生から40年あまり、現在では各社から数え切れない種類の商品が発売、世界中で年間430億食以上が消費されるまでに浸透した。インスタントラーメンのオフィシャルサイトとも言える「即席麺家頁」では、日清食品をはじめ、エースコック、明星食品、カネボウフーズなど17社の全商品をデータベース化。商品名、会社、味から検索できるようになっている。各社新製品についても逐次掲載され、各商品の特徴や価格、発売日、販売地域のほか、CF出演者のデータも閲覧できる。

 また、歴史を紹介する「詳説インスタントラーメン史」、即席めんの定義や成分などを解説する「特講インスタントラーメン概論」などの読み物、統計データ、カップめんと環境ホルモンに関する研究報告、インスタントラーメンを使ったヘルシーメニューの紹介など、充実した内容となっている。社団法人日本即席食品工業協会公認という「インスタントラーメンファンクラブ」も発足しており、ウェブサイト上で登録を受付中だ。

■インスタントラーメン発明記念館
http://www.nissin-noodles.com/

■即席麺家頁
http://www.instantramen.or.jp/

●インスタントラーメンの愛好家たち

 今日では日常的な食品となったインスタントラーメンだけに、中には毎日のように食べているという人もいるだろう。インターネットでは、そんな熱心な愛好家たちが提供する奧の深いインスタントラーメン情報に触れることができる。

 まず真っ先に挙げられるのが「即席ラーメンは即席ラーメン」というウェブサイトだ。「物心が付いた頃から好んで即席ラーメンを食べて育ちました」という作者は、週3回以上はインスタントラーメンを食べているというツワモノで、実際に食べたラーメンのパッケージを保存するのがライフワークだ。このウェブサイトでそのコレクションを見ることができるのだが、その数はなんと1,694件(2000年8月24日現在)。「試食記」コーナーで日付順に掲載されているほか、メーカー、国籍、日付などから検索の検索も可能。懐かしいパッケージやめずらしい商品を集めたコーナーも用意されている。「即席ラーメンは、日本が誇る素晴らしき食文化の象徴です」と言い切る作者の熱い思いががひしひしと伝わってくるようだ。

 このほか、カップめんに特化したサイトでは、「カップ天国」「KOJIs room」がおすすめだ。カップ天国では、もう600種類に届こうかという膨大な数のカップめんを実際に食し、5段階評価を付けている。パッケージおよび調理後の写真のほか、エネルギーや栄養素などのデータを掲載しているのが特徴だ。

 一方、KOJIs roomでは「ラーメシュラン」なるコーナーで、300種を超えるカップめんを試食レポート。こちらも5段階評価を行なっている。カップ天国よりデータ件数は少ないものの、掲載されている写真がすばらしい。調理後の写真を掲載しているのだが、表面をズームアップして撮影しているので具の種類やスープの色加減なども手に取るように確認できるのだ。なお、携帯電話向けの「J-ラーメシュラン」も用意されており、各商品について「◎(超おいしい)」「○(おいしい)」「△(ふつう)」「×(うむむ…)」という評価が簡潔に表示されるようになっているのは便利だ。インスタントラーメンを購入する際に店頭で迷ってしまうときなど、ここにアクセスすれば参考になるだろう。

 さて、これらのサイトがあらゆる種類の商品を広く対象としていたのに対し、次に紹介する「MICK WORLD」では、ある一つの商品を深く追求している。同サイト内に用意された「ヤクルトラーメンをみんなで食べよう」というコーナーでは、その名の通り「ヤクルトラーメン」だけを対象としている。「幻のラーメン」と言われるだけに聞き慣れない読者も多いかと思うが、どうやらこの商品は一般にお店で売っているものではなく、“ヤクルトおばさん”に注文して取り寄せるレアものらしい。ネーミングからはどうしてもヤクルト味を想像してしまうが、実態はどうなのか? このサイトでは同商品の情報を収集・提供しているほか、全国からの試食レポートも受け付けている。現在、「1都1道2府17県1アメリカ」から60人のレポートが寄せられているが、目標は「試食人100人突破+全国制覇」だそうだ。

■即席ラーメンは即席ラーメン
http://i-ramen.net/

■カップ天国
http://www.ke.ics.saitama-u.ac.jp/matsuda/cup/cup.html

■KOJIs room
http://www.interq.or.jp/uranus/koji/index.html

■MICK WORLD
http://office-deai.co.jp/

●インスタントラーメンの通販サイト

 近所のコンビニなど、全国どこでも手軽に買えるインスタントラーメンだが、実は地域限定商品も多いという。たとえば、前述の「即席ラーメンは即席ラーメン」の作者は、「大学に入ってあちこち旅行するようになってからは各地の地ラーメンを発掘することにこの上ない喜びを見いだすようになりました」としており、彼のコレクションには一般には見慣れない商品も数多く網羅されている。さらには、インスタントラーメンは日本だけでなく世界中で広く親しまれているだけに、まだ見ぬ商品も無数にあるのが現実だ。そんなローカル商品や世界のインスタントラーメンの一部は通販サイトで購入することができる。

 「ぬ~どるかふぇ」は、世界のインスタントラーメンの販売を専門としているサイト。海外では「中国・台湾」「韓国」「タイ」「マレーシア」の4エリアの商品を扱っているほか、国内でも「関東・甲信越」エリアの「アラビヤン焼きそば」、「中国・四国」エリアの「金ちゃん餃子ラーメン」などを販売している。まだ種類は少ないものの、他のエリアに住んでいる人にとってはめずらしい商品が買えるサービスとなるだろう。

 最後は、日清食品の商品を販売するサイト「日清e-めんShop」だ。日清食品などグローバルにインスタントラーメンを販売しているメーカーでも、実はローカル商品が存在するという。ここでは、「チキンラーメン」「どん兵衛」「焼そばU.F.O.」「ごんぶと」など、同じ名称でも東日本と西日本では味付けの異なっているバージョンや、九州・山口地区限定発売の「はかたんもん棒らーめん」を販売。従来はそれぞれ自分の住むエリア向けの商品しか買えなかったわけだが、日清e-めんShopでは全国から買えるようになっている。

■ぬ~どるかふぇ
http://tachikawa.net/noodle/

■日清e-めんShop
http://shop.nissinfoods.co.jp/

(2000/8/25)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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