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【新技術】

日本総研、入札者の匿名性を保つオークションシステム

■URL
http://www.jri.co.jp/pro-eng/anonauc/anonauc.html

 日本総合研究所は、入札者のプロフィールや入札価格などの情報を公開しないままオークションを運営できるシステムを開発したと発表した。主催者を含めたオークション参加者全員に対して、入札者の匿名性が保たれるのが特徴。参加者が結託して不正を行なったり、入札者の個人情報が漏えいするのを防止できる。

 従来のオークションシステムでは、入札に参加する際にあらかじめ個人情報を登録しておくのが一般的だったが、この方法では主催者に入札者情報が伝わってしまうという問題があった。このため、「だれが何をどのくらい欲しがっているか」が主催者側に判明することになり、ダイレクトメールの送信などに悪用される恐れがあった。また、サーバーの管理が不適切な場合には、ネット上に個人情報が漏えいする危険性もあった。

 これに対し、今回開発された「匿名オークションシステム」では、個人情報の登録が不要。最終的に、落札者の情報だけが売り手に届く仕組みとなっている。具体的には、入札時、入札者のプロフィールや入札額などのデータを専用のJavaアプレットにより暗号化・分散化して複数のサーバーに送信。オークション終了時にサーバー間で集計処理が行なわれ、分散されたデータをもとに落札者が割り出される仕組みだ。落札できなかった入札者の情報については集計処理をしても復元できないようになっているほか、落札者の情報についても主催者といえども知ることができない。また、各サーバーは自分の持っているデータだけでは入札者の情報が復元できないようになっているため、それぞれ独立した機関や企業で管理することで、売り手や主催者が結託して不正を行なう可能性を低減できる。主催者による不正が不可能であることを証明する必要のある官公庁などでの入札で有効だとしている。

 このような仕組みを実装したオークションシステムは世界初だとしており、日本総研では現在、ビジネスモデル特許を申請中。12月をめどにオークションエンジンとして商品化する予定だ。なお、同社では9月末まで同システムの実証実験用のサイトを開設しており、12日午後1時よりオークションの参加を受け付ける。Windows用のInternet Exploer 4以降に対応している。

(2000/9/11)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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