■URL
http://www.princehotels.co.jp/
http://www.3com.co.jp/news/releases/pr00/sep1300a.html
http://www.inter-touch.co.jp/release/release.html
ホテルチェーン大手のプリンスホテルは、客室から高速でインターネットに常時接続が行なえるサービスを10月より順次開始する。既存の電話回線を利用して上り下りとも最大10Mbpsの通信が可能なVDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)による接続システムを日本のホテルで初めて導入する。
利用料金は1室1日1,500円。10月上旬に東京プリンスの300室に導入するのを皮切りに、11月上旬には品川プリンスで500室、12月上旬には六本木プリンスで100室、幕張プリンスで200室、横須賀プリンスで50室、2001年1月には新宿プリンスで100室、2001年春には赤坂プリンスで761室全室に導入。他のプリンスホテルについても、シティ系ホテルを中心に順次導入を進めていく。IT関連の催し物などによるネット接続への需要が高まっているとしており、会議室や宴会場においても導入する方針だ。また、将来的な動画や音楽の配信、ネットワークゲームなどへの対応も視野に入れている。
採用するネットワーク機器はスリーコムジャパンの「VCN(Visitor and Community Network)」システムで、導入とメンテナンスをインター・タッチジャパンが担当する。このシステムでは、客室内に設けられたジャックとノートパソコンをEthernetケーブルで接続、ウェブブラウザーを立ち上げるだけで即座にネットに接続できる。例えばWindowsの場合、設定変更の必要があるのはダイヤルアップ接続やプロキシーの解除だけとなっている。接続時には最初にホテル案内などの特定のページを表示できるようになっており、このページを利用したECビジネスの展開も考えられる。1本の回線でデータ通信と音声通話が同時に行なえる点はADSLと同じだが、VDSLでは通信速度が上下対称のため、ビデオ会議やネットワークゲームなどの双方向サービスにも対応できるのがメリットだとしている。
インター・タッチジャパンは、オーストラリアのinter-touch社が本社。現在、全世界で100以上のホテル/3万5,000室以上の客室、37の航空会社ラウンジ、5つのコンベンションセンターにおいて施設利用者向けの広帯域ネットサービスを提供している。インター・タッチジャパンでは、プリンスホテルへの導入を皮切りに、ホテルや展示場、空港のラウンジ、ウイークリーマンション、病院などの市場へ向けて国内でもサービスを展開していく。なお、ネットワーク設備はインター・タッチジャパン側が負担するため、ホテル側の設備投資は一切発生しないという。利用料の一部がホテル側に手数料として支払われる仕組みだ。同社ではこれを初期投資として捉えており、今後はこのインフラを活用したASPや動画配信、VoIP電話などの付加サービスによりビジネスを展開していく考えだ。
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(2000/9/13)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]