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【調査結果】

「コンテンツの制御崩壊」でレコード・出版業界は大損失――米調査会社予測

■URL
http://www.forrester.com/ER/Press/Release/0,1769,397,FF.html

 米市場調査会社のForrester Researchは19日、デジタルコンテンツに対する著作権侵害の増加や、アーチスト・作家の独立によって「2005年にはレコード業界が31億ドル、出版業界が15億ドルの損失を受ける」という調査報告を発表した。一方、映画会社やゲームメーカーの損失は少ないと予測している。

 同調査では、音楽、映画、書籍、ビデオゲーム、TVといった5分野のエンタテインメント業界に属する50社を対象にインタビューを実施した。インタビューにおいて、企業はNapsterのようなファイル交換サービスをなくすためにデジタル著作権管理(DRM)技術を使用したり、インターネット企業を提訴すると答えている。しかし、DRMベンダー数10社へのインタビューの結果、これらの戦略は失敗するとForresterは見ている。

 同社アナリストのEric Scheirer氏は「DRM技術はファイル交換や、コンテンツ流通の制御に依存するビジネスモデルを妨げることはできない。また、訴訟は、Gnutellaのような表面にあらわれないサービスへと消費者を押しやるだけだ」と指摘している。

 Forresterは、ファイル交換が消費者の要求を満たし、配信ビジネスへと移行する時期を「collapse of control (制御崩壊)」と名づけている。これは、音楽や出版業界を破壊するものではなく、その支配構造に大きな変化をもたらすことを指している。

 コンテンツ流通のコントロールが出版社から離れ、多くのお金がアーチストやベンダーに入ってくるようになる。Forresterでは、2005年には、ミュージシャンが10億ドル、作家が13億ドル、サービス会社が28億ドルを得られるようになると予測している。

(2000/9/20)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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