■URL
http://www.jpaa.or.jp/i-center/index.html (工業所有権仲裁センター)
http://www.nic.ad.jp/jp/regist/dom/drp/ (JPNIC・ドメイン名の紛争処理方針)
工業所有権仲裁センターと日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、20日「ドメイン名紛争に関する講演会」を開催した。10月に開始するJPドメイン名に関する紛争処理の本格開始に先駆けての説明となる。
講演会にはJPNIC理事の坪俊宏氏、JPNIC運営委員の久保次三氏、弁護士・弁理士の松尾和子氏、弁護士・弁理士の水谷直樹氏らが講師として登場。JPNICサイドからはドメイン紛争についてのイントロダクション的な説明が、そして仲裁センターからは手続き規則などについての解説が行なわれた。
まず坪氏が「ドメイン名について」というテーマで、ドメイン名とは何か、どういった役割を持つか?という基本的なところから説明し、今後の動向として汎用JPドメイン名や新TLD、他言語ドメイン名などの状況を解説した。次に久保氏は「世界で2,700万件あるドメインのうち、jpドメインはわずか20万件。かなりの数の国内ドメインが.comなどに逃げていることは、直接ではないもののIT推進を妨げると言える」と発言し、国内ドメイン登録機関の必要性を説いた。さらにICANNの成り立ちやuDRP(ICANN作成による「統一ドメイン名紛争処理方針」)、また「bungeishunju.com」や「jal.com」など日本に関する主なドメイン名紛争の裁定について説明した。
続いて松尾氏が「JPドメイン紛争処理方針と手続規則」について講演。現在の世界標準であるuDRPとほぼ同一の実態と手続きを備えた上で、日本の社会的状況に必要な修正をして完成したという背景に触れ、uDRPの原文と日本版を比較しながら、その違いや捉え方を解説。また水谷氏はこの処理手続きについて「従来の仲裁や調停と異なる新しい紛争処理手続きである」とし、手続きで実際に行なわれるステップを順を追って説明していた。
工業所有権仲裁センターによるJPドメイン名に関する紛争処理は10月19日から開始し、申し立てから裁定の公表までの手続きを、55日以内に完了する形となる。利用料金は審理するパネリストが1名(ドメイン名が3件まで)の場合18万円、3名の場合36万円となる。
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(2000/9/20)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]