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【業界動向】

JASRAC、デジタル音楽用「電子透かし技術」実証実験の結果を発表

■URL
http://www.jasrac.or.jp/watermark/houkoku.htm
http://www.nri.co.jp/news/2000/001006.html

 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は、デジタル音楽の流通に向け8月から実施していた電子透かし技術の実証実験「STEP2000」を完了したと発表した。実験結果によると、推奨できる技術を保有している企業として、米IBM、韓国MarkAny、日本ビクター、英Signum、韓国BlueSpikeの5社の名前が明らかにされた。

 STEP2000は、JASRACのほか、著作権管理団体の国際組織「CISAC」、「BIEM」が主体となり実施したもので、実証実験の業務自体は、株式会社野村総合研究所(NRI)が担当した。JASRACでは、次世代の音楽著作権管理構想として「DAWN2001」を打ち出しているが、電子透かし技術は、そこでの技術面の柱の一つとなるものだ。

 実験では、「音楽利用のためのさまざまな処理を経ても、挿入した透かしデータが抽出できる」という「耐性面」と、「レコーディングエンジニアやマスタリングエンジニアなどが聴いても、透かしデータが挿入されていることが認知できない」という「音質面」での評価が行なわれた。そのほかには、音響学的分析結果や、透かしデータの挿入・抽出処理時間も加味したという。10数社を対象に検証した結果、「デジタル音楽流通に関わる事業者への利用の推奨が可能な技術を保有する」と認定されたのが前述の5社である。しかし、IBM以外に対してはいずれも「音質や耐性のチューニングが求められる」としている。

 実験全体の結果としてNRIでは、「音楽の電子透かしの技術水準は、研究段階から実際の利用段階へ入ったことがうかがえる」としている。しかし、一方で、ストリーム形式「Real Audio」など、圧縮率の高いものへの耐性の結果は総じて芳しくなかったという。

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(2000/10/10)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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